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ああ、やっぱり私が期待し過ぎただけなのかも。
「オイ、A」
心做しかバグドールの声が聞こえる。きっと気の所為だろう。
そう思いながらバグドールの事は諦めて、皆の元に近づこうとすると、誰かに肩を掴まれた。
「A!!」
聞き覚えのある声が耳に入り、咄嗟に後ろを向いた。
「え…?うわぁ!!」
そこには、さっきまで居なかったバグドールの姿が。
「何でバグドールが居るの!?」
「今日ハホワイトデーデショウ?」
バグドールはそう言って、頭上に亜空間のような場所(バトル開幕モーションでバグドールが登場する黒い穴)を作る。そこから水色のリボンで丁寧にラッピングされた黒色の箱を取り出した。そして、それを私に差し出す。
「あ、ありがとう…!」
バグドールもお菓子作りするんだなぁ。そんな事を考えていると、彼が顔を寄せてきた。
「何カ余計ナ事ヲ考エテイルナ?」
「いやいやいや!」
私は首と手をぶんぶんと左右に振った。なかなか納得してくれない彼に、私は折れて説明するしか無さそうだ。
「あのー、すっごく言いにくいけど、バグドールがお菓子作りする姿がなかなか思い浮かばなくてね…」
「ソウイウ事デスカ。僕モオ菓子作リハ初メテダカラナ」
思い浮かばなくて当然だと言い張る彼に、怒らせずに済んで安心した。それと同時に私は驚きを隠せなかった。確かにバグドールはお菓子作りなんてあまりしないと思っていた。
だけど、この箱を渡された後だと話は別だ。ラッピングを見るだけでも専門店で売っているレベルの物に感じる。
「これって本当に初めてなの?」
「ソ、ソウダガ…?」
今一瞬目が泳いだような…。そんな思考を遮るように、私達の間に誰かが割り込んだ。
「ハッピーホワイトデー、相棒」
黒いマスクに黒いマント。白く綺麗な髪と、私を相棒と呼ぶ聞き慣れた声。
さっちんだ。
「あ、さっちん!これってもしかして…」
「そそ。バレンタインのお返しだよ」
ほら、と言って白く光沢のある袋を差し出してきた。 袋の中からとても甘い匂いがする。
「ありがとう!」
彼もバグドールも黒が基調の姿をしているが、渡されたラッピングの色は真逆だ。
天使と悪魔。そんな言葉がふと頭を過ぎった。
「アイツらもその内来ると思うぜ。皆、相棒にだけ渡せてなかったからなァ」
さっちんは言った。
そういえば私、ここに来てずっとバグドールと話してたっけ。後で皆にも会いに行こう。
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あめ色(プロフ) - なこ。さん» コメントありがとうございます!最高と言ってもらえて嬉しい限りです〜!早速ギルド入ってくれる方が居るとは…!もう1人、2人程参加希望の方が出てきたら私の方で作らさせて頂きます!その際はまたお知らせしますね!これからもよろしくお願いします〜m(*_ _)m (2022年4月5日 0時) (レス) id: 728cbc79d4 (このIDを非表示/違反報告)
なこ。(プロフ) - 初コメ失礼します!今回(?)も最高でした~!ギルドについてなんですけどつくるのだったら是非入らせていただきたいです!更新待ってます!! (2022年4月4日 23時) (レス) id: b43a1c99fa (このIDを非表示/違反報告)
あめ色(プロフ) - くまさん» コメントありがとうございます!見つけてもらえて良かった!その上この作品を気に入ってもらえて、感謝感激雨あられです〜!!先程更新しましたので、良ければ見ていってください!(*^^*)(少し返信ミスしたので書き直してます、すみません!) (2022年4月4日 19時) (レス) id: 728cbc79d4 (このIDを非表示/違反報告)
くま(プロフ) - めっっっちゃ好きです…!!!!最近バグドくん推しになったんですがなかなか夢小説なくて探してたところこの作品を見つけました!!!とても素敵です!!更新いつでも待ってます〜!! (2022年3月22日 17時) (レス) id: 23550451c9 (このIDを非表示/違反報告)
あめ色(プロフ) - ふわふわありすさん» コメントありがとうございます!この小説を気に入ってもらえて嬉しいです…!バグドールくんの小説なかなか無いですよね…もっと増えて欲しい…。受験頑張ってきます!これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2022年3月3日 16時) (レス) id: 728cbc79d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あめ色 | 作成日時:2022年2月12日 6時