鋏をいれたあと

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多忙なカンタくんは、東海飲みのためにかなり無理して時間を割いたらしく、そのあとはなかなか会えなかった。ＬＩＮＥのやりとりだけで、会えない。そんな日が続いた夜中、もう寝ようって時に電話がかかってくる。



カ「もしもし、あ、A寝てた？」



『ちょうど寝ようかなって思ってたところだよ、おつかれさま』


ちょっとだけ眠たくて、子供みたいなしゃべり方になっちゃう。あしたも仕事だから、電話しながら明日着る服を選ぶ。暑いんだよ、そんで会社は寒いんだよー。



カ「うん、あのさー、週末、家に来れる？」


『え、行っていいの？』



カ「やることあるから、その間、待っててもらう感じになるけど・・・それでもよかったら。」


もそもそしゃべるカンタくんの声のトーンで、照れてるのがわかる。かわいいなあ、会いたいって思って電話してきてくれたのかも。・・・そうだったら、めっちゃ嬉しい、な。
わたしから会いたい、って言うのは簡単だけど無理してほしくないから、どうしても連絡待ちみたいなことになってしまう。
就職して、わたしにもスケジュールがあるから、もしかしたらカンタくんが気を遣ってくれてるのかな。



『行く！！この前はちゃんと見れなかったから、撮影部屋とか見学したい！』




カ「・・・入場料がかかるよ」



くすくす笑ったカンタくんが、ふざけていうから、わたしも乗っかる。



『いくらですか？』



カ「そうっすねー、キス一回。」





いくらでもする！って食い気味に言う。

撮影部屋を見学できるなら、っていうかシェアハウスに入れるなら、いくらでもするでしょ、そんなの。



カ「冗談だよ、そんなふうに安売りしちゃだめ。」



『はーい、何時くらいにいけばいい？』



またね。
週末の話をして電話を切ると、ベッドの横に、明日の服を置く。夏だし、新しい服でカンタくんに会いたいなあ。金曜の夜、行けたら、ってスケジュールを頭の中で調整しながら、ベッドに入った。





『お邪魔しまーす、』



カ「どうしたの、その荷物。」



まあ忙しいから仕方ないんだけど、コンビニご飯にマック、外食ばっかりであろうカンタくんに、料理を。と思って食材を大量に買ってきた。リュックにも野菜が詰まってる。
かわいいシフォンのフリルつきのトップスを買ったけど、料理の時邪魔なので、今日はもう普通にＴシャツ、ジーパン。





つづく

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