未来への花束２

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カンタside


クリスマスパーティーが終わって、Aや後輩が片付けている間、俺は自分の部屋で編集。今日は泊まるみたいなので、なるべく早くやってしまいたいところ。
ふと、ベッドの横を見ると、無造作に荷物が置かれていて、慌てて片づける。Aの家で、寝たり食べたりするから、ベッドが死んでる。荷物置き場みたいだ。

いらないものをまとめて、片づけると、大事なものは引き出しにしまった。


いますぐ、必要なわけじゃないし。



コンコン

『カンタくんはいるね』


カ「はーい」


部屋に入ってきたAは、自分の荷物を部屋の隅におくと、あの、って声をかけてきた。


『あのー、申し訳ないんだけど、部屋着忘れちゃって。最近うちにきてばっかりだったから。』


こっちにもあると思ったらなかった、ってお風呂にはいる準備をしながらAが言う。あーなるほど。たしかにここにAが泊まるのは、かなり久しぶりだ。


カ「あー、なんか貸すよ、ジャージみたいなやつあるから」


『ごめんね、作業中に、』


服は別の場所にあるので、階段を下りていく。


引き出しが積んであるところから、自分の服を取り出す。


カ「ん、」


『ありがとー、たすかります』


クローゼットみたいなスペースは、薄暗くて、Aの唇がきらきらしてた。

服を受け取ろうと手を伸ばしたAの手をひいてキスを落とすと、真っ赤になったAが怒る。


『ここは、だめでしょ！』


その通りなので、笑ってごまかすと、Aがぷりぷりしながら出ていこうとする。
その後ろ姿に、声をかけた。


カ「その服、すっごい似合ってるね」


偶然、事務所の近くでAに会って買ってあげたやつ。あんまり着てくれなくて、気に入らなかったのか、って残念に思っていたけど。クリスマスパーティーの今日、着て来てくれた。



『……ありがと、…カンタくんが買ってくれたから、もったいなくてなかなか着れなくて、』


いつまでたっても、Aはこう、俺をぐずぐずに溶かすみたいなことを言う。
かわいいって思うの、もう何万回目？



カ「かわいいよ、」



『……、服が？』


カ「Aが、に決まってるでしょ。」


にっこり、嬉しそうに笑ったAに、一歩近づくと耳元で囁く。


カ「服を送る意味覚えてる？」



別にもう、こんな言葉遊びで照れるような関係でもないのに、ちゃんと赤くなるAに、つい、意地悪しちゃうんだよね。




つづく

これはだれだ

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