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ま「…あー…釣った魚に餌はやらないタイプなのかもね」

『なるほど…えさ、』

夜食におにぎりを握って持っていくと、まんずはそれを頬張りながら笑った。

ま「カンタさんはカンタさんだから、」

『白馬の王子様じゃないもんね』

ま「言えば馬くらい乗ってくれそうだけどね、あの人なら」

『それは白い馬にまたがった、ただのカンタくんだもん』


さっきから、違う人と恋愛したいみたいに聞こえるよ、って言ったまんずがラップに包まれた食べかけのおにぎりを握りなおして小さなおにぎりにした。小さいころからよく見る、これ。なんかかわいい。

『いやそうじゃないけど』

ま「じゃあなに」

『なんかこう、もっとドキドキしたいの!』

ま「・・・・・・」


呆れた顔をしたまんずが黙る。
ときめきたいの。悪い??


ま「贅沢だよ」

『自覚ありますう』

ま「女ってみんなそうなの?俺、なんか頭痛くなってきた」


まんずは心底嫌そうな顔をしてため息を吐いて、こめかみを押さえた。まんずがなにかあるなら、って言ってくれたから話しただけで、実は四六時中そう思っているわけではない。悩んでいたわけでもない。こんな話の流れになるなら、言わないほうがよかったな、と苦笑する。
ほんとは、この家をでる計画のことで、少し悩んでいただけで、
味方が欲しかったというか。


『いやあのねえ!本気でそう思ってないから!ちょっとした冗談!』

ま「帰れ」

『わたしの家でもありますう』

静かにキレたまんずから逃げるように部屋をでる。お礼を言って扉を閉めると、肩を落として大きくため息をはいた。別れたときみたいに、物理的に離れることが怖いなんて、誰にも言えそうになかった。



つづく

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りい(プロフ) - 個人的に気持ちに余裕がなくて趣味を疎かにしていて、久しぶりに占ツクに来て、まっさきに学パロを拝見しました。社長室さんの小説、やっぱり好きです。素敵な作品を、癒しをありがとうございます! (2019年9月23日 4時) (レス) id: 23552ed598 (このIDを非表示/違反報告)
社長室(プロフ) - ちひろさん» コメントありがとうございます!素敵な感想、本当に嬉しいです〜ノリノリで描いていったというよりは、すこし苦しみながらできあがっていったので、幸せを感じていただけたことを心から感謝します。ひみつのほうもぼちぼちやっていますのでまた読みにいらしてください〜 (2019年7月27日 22時) (レス) id: 37f3407064 (このIDを非表示/違反報告)
ちひろ(プロフ) - 完結おめでとうございます!今更ながら、ひみつからきて読ませていただきました。もどかしい青春が詰まっていて、社長室さんの描かれるカンタくんととみなが先輩がたまらなく大好きです。とてつもない幸せに包まれました。ありがとうございます。 (2019年7月26日 11時) (レス) id: 04f6d975f4 (このIDを非表示/違反報告)
社長室(プロフ) - じょん、さん» コメントありがとうございます!学パロで終わらせておけばよかったのに大風呂敷をひろげて2に続きまして、リアルタイムで呼んでくださった方にはご迷惑をおかけしました…!短編のほうは地道にやりますので、またお暇なときにでも覗いてやってください! (2019年7月5日 0時) (レス) id: 37f3407064 (このIDを非表示/違反報告)
社長室(プロフ) - 名無し9253号さん» お付き合いくださりありがとうございました! (2019年7月5日 0時) (レス) id: 37f3407064 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:社長室 | 作成日時:2019年6月5日 11時

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