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ま「カンタさんに会うのいつぶり？」
『…うるさいなぁ、早く運んでよね』
ま「ねえ」
『５年とか！？覚えてないよ！』
ま「へえー」
服や靴が入った段ボールを抱えて水溜りハウスに入る。完璧おもしろがってるまんずを、いつか絶対にこらしめてやりたい、と鼻息荒く玄関の床に荷物を下ろした。
『むん！』
手袋をはめているので、手首あたりで額の汗を拭うと息をつく。荷物を厳選して、いらないものは実家に送ったけどやっぱり多い気がする、邪魔になったりしないかなあ、
カ「…、久しぶり」
反射的に声のしたほうに目を向けると、佐藤先輩が階段から覗きこんでいた。
くりくりの目は少し疲れているようで、顔色も悪い。
何年振りだろうか、こうやってまっすぐ見つめられるのは。
『お久しぶりです、お世話になります！』
なんて言っていいかわかんないし、照れ隠しみたいなものもあって思いっきり頭を下げる。そこにＰさん先輩が大きな衣装ケースを運んできたので、慌ててお手伝いのために手を添える。
カ「俺持とうか」
トントン、と階段を降りてきた先輩は、高校の時に比べてずっとずっとずーっと体が大きくなっていて、動画で見るよりもそれを感じて、別人すぎてちょっと怖い。
ま「あ。俺らでやるんで、カンタさん、上にいてください」
カ「…なんでぇ」
Ｐ「編集は平気？」
カ「…もどりまーっす」
佐藤先輩は玄関に置かれたわたしの荷物を見ながら階段を上がっていく。それを眺めていると、まんずに声を掛けられた。
ま「あの二人、マジで毎日忙しいから、余計なことさせたくない」
Ｐ「…」
黙っていたＰさんが眼鏡を直しながら微妙な顔をする。なるほど、本当にみんなに支えられて動画を作っているんだなあ、って感じて、自分のことのように嬉しい。わたしも、少しでも力になりたい、と素直に思った。
『うん。わかった。…まんずぅ、成長したねえ、』
ま「殴るよ」
『あっ、ひど！』
いい子いい子しようとした手を払われて、玄関先で騒いでしまい、ぶち切れた富永先輩が降りてきて叱られるまで、あと一分。
つづく
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りい(プロフ) - 個人的に気持ちに余裕がなくて趣味を疎かにしていて、久しぶりに占ツクに来て、まっさきに学パロを拝見しました。社長室さんの小説、やっぱり好きです。素敵な作品を、癒しをありがとうございます！ (2019年9月23日 4時) (
レス) id: 23552ed598 (このIDを非表示/違反報告)
社長室(プロフ) - ちひろさん» コメントありがとうございます！素敵な感想、本当に嬉しいです〜ノリノリで描いていったというよりは、すこし苦しみながらできあがっていったので、幸せを感じていただけたことを心から感謝します。ひみつのほうもぼちぼちやっていますのでまた読みにいらしてください〜 (2019年7月27日 22時) (レス) id: 37f3407064 (このIDを非表示/違反報告)
ちひろ(プロフ) - 完結おめでとうございます！今更ながら、ひみつからきて読ませていただきました。もどかしい青春が詰まっていて、社長室さんの描かれるカンタくんととみなが先輩がたまらなく大好きです。とてつもない幸せに包まれました。ありがとうございます。 (2019年7月26日 11時) (レス) id: 04f6d975f4 (このIDを非表示/違反報告)
社長室(プロフ) - じょん、さん» コメントありがとうございます！学パロで終わらせておけばよかったのに大風呂敷をひろげて２に続きまして、リアルタイムで呼んでくださった方にはご迷惑をおかけしました…！短編のほうは地道にやりますので、またお暇なときにでも覗いてやってください！ (2019年7月5日 0時) (レス) id: 37f3407064 (このIDを非表示/違反報告)
社長室(プロフ) - 名無し9253号さん» お付き合いくださりありがとうございました！ (2019年7月5日 0時) (レス) id: 37f3407064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：社長室
| 作成日時：2019年6月5日 11時
