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トミーside
『ずっと、…応援してますよ。』
Aは少しの後ろめたさも見せずにそう言って笑ってみせた。これが演技だったら女は怖いっていう場面には人生で何度か遭遇しているけど、その中でも一番怖ぇ笑顔。作り笑いかも、って思わせない空気だって作れるようになっている。
高校一年の、もさもさのTHE イモ！なAはもうどこにもいない。
成長してる。とりあえず上っ面だけは。
ト「は？」
会社が倒産して職を失い収入がないせいで、家賃下げたいから不動産見てた、という漫画みてぇな不幸話がAの口からでたときに、反射的に頭をチョップしていた。
…、お前はほんっっっとなんなの。
ト「お前！なにしてんの？！」
『いった！久しぶりに会った可愛い後輩に！ひど！』
ト「倒産するような会社に新卒で入るの？ 俺よくわかんねーけど。とりあえずおまえがバカなのはわかる。」
『ひっっど！でも酷すぎて安心する〜、富永先輩、って感じ！…、でもまあ正直、こまっちゃいましたよ。本当に突然で…どーしたらいいですかねえ…』
危機感ゼロか。
とっさにそう突っ込んでしまって、さすがに言いすぎかと口を噤む。見た目では感じ取れないけど、マジで困っているんだろう。おそらくだけど、俺にそれを気取らせないよう、へらへらしているだけ。本当に上っ面だけ成長しやがってめんどくせえ。
まー。でも。あれから５年くらい経つか？
もう高校生じゃない、Aも、俺も。
ト「・・・実家帰れば」
『えぇー？』
んむむ、とよく見たあの顔で、無責任に悩んでいる。それを見て、目の前の女の危うさを思い出してじわじわ恐怖が襲ってくる。
あぶねーこと、しねぇよな？まさか、
ト「じゃあウチ来れば？家賃タダ。まんず付き。」
『…あのねぇ、……知ってるでしょう？無理ですよ』
一瞬顔を強張らせたAが、諦めたように笑った。嘆きのような。
ぶん殴って泣かせて、いいから来い！って引きずって連れていきたいと思う。
こんな顔をするくらいなら。
でも俺も、もう高校生じゃない。友達の一人くらい、背負ってやれるはず。
俺と、カンタなら。
つづく
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りい(プロフ) - 個人的に気持ちに余裕がなくて趣味を疎かにしていて、久しぶりに占ツクに来て、まっさきに学パロを拝見しました。社長室さんの小説、やっぱり好きです。素敵な作品を、癒しをありがとうございます！ (2019年9月23日 4時) (
レス) id: 23552ed598 (このIDを非表示/違反報告)
社長室(プロフ) - ちひろさん» コメントありがとうございます！素敵な感想、本当に嬉しいです〜ノリノリで描いていったというよりは、すこし苦しみながらできあがっていったので、幸せを感じていただけたことを心から感謝します。ひみつのほうもぼちぼちやっていますのでまた読みにいらしてください〜 (2019年7月27日 22時) (レス) id: 37f3407064 (このIDを非表示/違反報告)
ちひろ(プロフ) - 完結おめでとうございます！今更ながら、ひみつからきて読ませていただきました。もどかしい青春が詰まっていて、社長室さんの描かれるカンタくんととみなが先輩がたまらなく大好きです。とてつもない幸せに包まれました。ありがとうございます。 (2019年7月26日 11時) (レス) id: 04f6d975f4 (このIDを非表示/違反報告)
社長室(プロフ) - じょん、さん» コメントありがとうございます！学パロで終わらせておけばよかったのに大風呂敷をひろげて２に続きまして、リアルタイムで呼んでくださった方にはご迷惑をおかけしました…！短編のほうは地道にやりますので、またお暇なときにでも覗いてやってください！ (2019年7月5日 0時) (レス) id: 37f3407064 (このIDを非表示/違反報告)
社長室(プロフ) - 名無し9253号さん» お付き合いくださりありがとうございました！ (2019年7月5日 0時) (レス) id: 37f3407064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：社長室
| 作成日時：2019年6月5日 11時
