学パロ

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カンタside





『…は？』


カ「いやだから、普通に出られる。」


立ち上がって、Aの手をそっと離すと頭をぽすぽす、って撫でてから扉に向かう。
少し持ち上げながら引くと音を立てて簡単に開く扉。


『〜〜〜、だ、だました！最低！』


ぷるぷると震えて怒るAは、耳を真っ赤にして俺に抗議してくる。


『ひどいです！もっともらしい嘘ついて！怖かったんですけど！』


怒ったAは、俺の肩をぺしぺし叩くともう！って言って唇を尖らせた。
潤んだ瞳で、ぷるぷるしてて、赤くなって、ただかわいいだけだし。
謝ろうと口を開くとにやけてしまい、強めに殴られた。


カ「ごめんて、…んぷっ、」


『…』

耐えきれず笑った俺に、とうとう口をきいてくれなくなったAは、すたすたと先を行ってしまう。慌ててカバンを掴むと、後を追った。



カ「俺だって、あの一年にムカついてて、」


言い訳みたいに一年の話を出すと、Aは驚いたみたいで、やっと振り向いてじっとこっちを見てくる。



カ「なんか冬くらいからAそっけないし、」


『それは、』


カ「バレンタインだって、トミーと同じ一個だし」


『う、』


カ「あんなに仲良かったのにさ、」



ダサい自覚があるから、声が消えそうなくらい小さい。


カ「でも。…まあ、ごめん、」


ウソをついて閉じ込めたのは事実だし。
そうやって謝ると、黙っていたAの手が、カバンを握る俺の手に伸びて。
なんとなく手の力を抜くと、親指を握られて、かわいくて死にそう。




『…わたしのこと、好きなの、も、…うそ？』


頬をピンクに染めたAが、上目遣いで聞いてくる。前も言ったけど、女子の成長スピードは時空ゆがめてる。こんな女性らしい表情のA、初めてみる、たぶん。


カ「ウソじゃないよ」

『今年も、…夏休み、一緒に遊んでくれる、？』



カ「もちろん、」



嬉しい、ぽつりとそれだけ呟いて、涙目のAがにっこり笑った。それを見て、ついさっきようやく成就した俺の恋が、また熱を帯びて。

同じ人をまた、好きになったことに気が付いて、この苦悩に終わりはないことを知る。





おわり



後日談を何個かやって終わります

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