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カンタside
『お待たせしました〜』
ロッカーの鍵を腕にはめながら、小走りで女子側の更衣室からでてきたAに言葉を失う。覚悟、してきたけど、これは相当精神力を試される一日になりそうだ、とぐっと拳を握る。
二学期の始業式直前のこの日、曇り予報だったこともあって、人は思ったよりずっと少ない。俺は男だから着替えとかさっさと終わって、どこに荷物を置くか考えていた。シートが敷けるとこ、どっかあいてるかなあ。あいてるか、空いてるし。
そんな俺の前に現れたAは、なんか耳のしたあたりに左右それぞれいっこずつお団子みたいなのができてて、なにがってただただかわいい。
ぴらぴらした意味ない短い布から伸びる足は、白い。ほかはもう俺の口からは言えない。っていうか上半身はあんまり見れない。
カ「…荷物、どこ置く?」
『早く行きましょ、さとーせんぱい!あっち!』
荷物なんかもうおかまいなしで、早くプールに入りたいらしいAが、俺の腕をぐいぐいひいて、ためらいなく素肌に触れたことにぎょっとする。そんで、ぶは、って笑ってしまう。意識、されてなさすぎてもうなんか逆におもろい。
『なに笑ってるんですかー?』
俺をぐいぐいひっぱって、不思議そうにしたAに、今日はもうこいつと楽しもうと決めて、思い切って手を握る。
カ「まずは荷物な、」
『…はーい、』
きゅ、って握り返されたことに満足して、前を向いて歩き出した。
『でへへー』
大きな浮き輪で浮いたAを押したり引いたりして流れるプールを進む。本当は下からひっくり返したいけど我慢。だってAの背中は頼りない紐がクロスしてて、それが俺のせいではずれたりしたらと思うと怖くて無茶できない。
カ「俺にも浮き輪かしてよ」
ぷかぷか浮きながら、くる、っと振り向いたAは、前をいくカップルを指さした。
『ああいう風に捕まったらどうですか、わたしまだ浮いてたいもん。一緒に使いましょう、』
カ「・・・」
視線の先には、浮き輪をつかう彼女を後ろから抱き締めるみたいにして泳ぐ男性。うっそー。なにあれ、そんなんしていいの。
つづく
夏休み中はラブラブ
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社長室(プロフ) - じゅんりさん» お気遣い本当にありがとうございました。更新は未定ですが、眠っている短編からアップしていこうと思っています、その時はよろしくお願いします。 (2020年1月8日 22時) (レス) id: 4147535b1c (このIDを非表示/違反報告)
じゅんり(プロフ) - お気づきになったみたいで良かったです(^^)社長室さんの書く作品大好きなので、また作品上がるのを楽しみにしてます(^^)! (2020年1月7日 10時) (レス) id: a9d9714e3d (このIDを非表示/違反報告)
社長室(プロフ) - じゅんりさん» コメントありがとうございます。インスタには載せておりませんので無断転載になります。じゅんりさんのコメントでアカウントも把握することができました。ありがとうございます。放置ぎみになっていたところにわざわざコメントいただいて感謝です。出来る限り対処します (2020年1月6日 23時) (レス) id: 4147535b1c (このIDを非表示/違反報告)
じゅんり(プロフ) - 社長室さん初コメ失礼します。インスタに、こちらの学パロ載せたりしてませんよね?無断転載されていると思います。アカウント名など、もしお知りになりたい場合はお教えします。私もいち書き手、いちファンとして許せないので不適切アカウントとして報告しておきますね (2020年1月3日 22時) (レス) id: 035108e004 (このIDを非表示/違反報告)
社長室(プロフ) - おかきさん» コメントありがとうございます!終わるとみせかけて終わりません、すみません!よろしければもう少しお付き合いください〜 (2019年5月28日 13時) (レス) id: 37f3407064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:社長室 | 作成日時:2019年3月25日 23時