４ ページ38
カ「な、そんなことしてない！」
『〜〜もういい！まんずくんとデートしてくるから！バカ！』
ま「…」
カ「待って！違う！っていうかそれはダメ！」
静かに話を聞いていたまんずくんは、着替えてきます、って笑ってぽてぽて歩き出す。まんずくんだけだよ、普通に接してくれるの。
ほんとうはすっごく悲しくて、仲間外れにされるようなことしたっけ、っていっぱい考える。カンタくんが階段を通せんぼして、まんずくんともめているところを見て、きゅーっと胸が締め付けられるような感覚。
仲間外れはわたしだけなのに、まんずくんを巻き込むのは、
ト「なあ」
『っ、なに！』
思ったよりトミーさんが近くにいて驚く。
ト「申し訳ないなって思った？いま、」
『な、なにに対して？わたし悪くないから思わない、そんなこと』
ト「まんず巻き込んじゃったなあ、って。自分だけが悪いのに」
『…思ってないよ』
ト「カンタも悪いけど、素直になんないAも悪い。そんな泣きそうな顔してつんつんしてかわいくねーの、」
『…っ、』
カ「トミーやめて。怒るよ」
ト「んだよ」
リビングに入ってきた二人が、真顔で言い合うところを後ずさりながら見つめる。
カンタくんもトミーさんも、いつもよりずっと低い声で、怖くなって涙が溢れそうになるのを必死で耐える。
カ「おいで、」
『…っ、』
カンタくんが呼ぶ声に、体が自然と動いてその腕に抱き着くようにして肩に顔を隠した。恥ずかしい、し、迷惑かけてる。みんな仲良しで、いてほしいのに、わたしのせいで。
ま「Aさん、」
カンタくんに手をひかれて部屋を出て階段をあがるとき、まんずくんが声をかけてきた。少し涙を拭ってから顔を上げる。
ま「一緒にパンケーキ、行きましょうね、」
『…うん』
ま「いつでも、連絡してください」
『…、』
カ「部屋いくよ」
ありがと、って言おうと口を開いたら、腕を引かれてそれはかなわなかった。怒ってる、のかな、カンタくん。
ちょっとだけ、手首が痛い。
カ「もうちょいで終わるから待ってて」
『うん』
部屋に入ると、ふっと笑ったカンタくんがデスクトップを指さして言った。
ぽすぽす、って頭を撫でられて嬉しくて恥ずかしい。犬みたい。
つづく
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 341人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ささみ(プロフ) - 初めまして。読ませていただきました！カンタくんは勿論キュンとしましたが個人的にりょうくんの話がドツボでめちゃくちゃ癒されました。またお暇があればりょうくんやトミーも書いてくださいね。これからも読ませていただきます。頑張ってください。 (2019年9月4日 23時) (
レス) id: 825eec5e34 (このIDを非表示/違反報告)
社長室(プロフ) - のんちゃんさん» コメントありがとうございます！嬉しいです〜好みが偏っていて似たような話ばかりですが、読み返していただいているなんて光栄です。妄想する余白みたいなのが好きで、受け取り方を縛らないような話を心掛けてます！これからも胸キュン目指してまったり頑張ります〜 (2019年5月7日 23時) (レス) id: 37f3407064 (このIDを非表示/違反報告)
のんちゃん(プロフ) - 初めまして。もう何十回も社長室さんの小説全部読み返してますこんばんは…笑 何もかも好きです。どストライクです。とってもしんどいのです。。占ツク読み始めてもう5年ほど経ちますが、これだけ胸キュンさせられたのは社長室さんが初めてです。大好きです！！ (2019年5月7日 2時) (レス) id: be54e8b475 (このIDを非表示/違反報告)
社長室(プロフ) - 翔海さん» コメントありがとうございます！笑っていただけてよかったです〜ちょっとした話みたいなやつばっかりですが、またよかったら覗いてやってください〜まったり続けていきます〜！ありがとうございました！ (2019年4月20日 0時) (レス) id: 599428703d (このIDを非表示/違反報告)
翔海(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します！！夜の体育...。例え方がまさにカンタくんっぽくて思わず笑ってしまいました！これからも楽しみにしてます！！ (2019年4月19日 22時) (レス) id: 126ce55151 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：社長室
| 作成日時：2019年2月23日 23時
