金平糖のような*二粒目[忍たま] (ページ10)

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事のあらましを一通り伝えれば、難しい顔をしていた乙名がひとつ、ため息をつき口を開いた。

「なるほど。そういうことでしたか……我々は、だまされていたのか……」

悔しそうに声を出し、膝の上でこぶしを作るその姿が、あまりにも痛々しく見えたものだからつい、声をかけてしまった。

「あ、あの」
「…はい」
「私のような小娘に言われたところで、って感じですけど、そう気に病まないでください。悪いのは村を守りたいって気持ちを利用した向こうです。絶対に忍術学園が制札を手に入れてみせます。私も全力を尽くすので、どうか堂々となさっててください」
「…ありがとう。このことは申し訳ありませんが、忍術学園の皆様にお任せします。どうかお気をつけて」

私たちは村人らに見送られ、次の村へと足を運ぶ。
道中、シナ先生は先程の私の言葉を褒めてくださった。けれどもどうにかするのは結局、私ではない。だから足手まといにはならないようにしないと。本当に口先だけになってしまう。
もう一度心の中で気合を入れ直し、私はシナ先生といくつかの村を回った。

担当の村を回り終え、予め決めていた場所に向かうと、いくつかの班は既に集まっていた。
そのうちの一つ、ユキちゃんたちの班が私たちに気づく。

「シナ先生！Aさん！」

そう言ってこちらに近づいてくる。すると亜子ちゃんたちの班もこちらに気が付き、シナ先生へ報告を始める。どこの村も騙されたことに、酷く憤慨したり、落ち込んでいたらしい。
話を聞いている間にも、くのたまちゃんたちがどんどんと任務を終わらせて集まってくる。
皆の報告が終われば、少し遅いがお昼ご飯だ。
お弁当の包みを開けば、形の違う二つのおにぎり。綺麗な方はおばちゃん作で、ちょっと歪なほうは私が作った。うん、精進せねば。まあ味は美味しいから、今日のところは合格にしておくけど。
……忍たまの皆の方も、お弁当を食べているのかなあ。平太、緊張すると食べる量減っちゃうからな。心配だ。まあそこは食満くんと作兵衛くんに頼るしかないなあ。
などと考えながらもぐもぐと口を動かす。

食べ終わってしばらく立つと、おばちゃんや小松田さんをはじめ、明日使うための荷物を運搬してくれた先生がたが到着された。
皆で、明日のための細かいところをすり合わせた。また変更はあるだろうけど、頑張らないとね。