金平糖のような*二粒目[忍たま] (ページ9)

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任務開始ページ9

「じゃあここからはさっき言った通り、手分けして村々に報告に行くわよ」
「はい！」

忍術学園を出発した私たちは、それぞれの村に向かうための分岐まで来ていた。これから私はシナ先生と一緒に行動する。他の子たちは数人一組で別の村へ向かう。この中じゃ私年長になるけどみんなより身を守る術を持っていないばかりに、シナ先生をほかの組にまわせないのが申し訳ない。

「じゃあ任務開始！夕暮れ時にここに集合よ！」

シナ先生の合図とともに散っていく。私も精一杯足を動かしてシナ先生についていく。ほんと、この学園の人足はっやいな！忍者だし当たり前なんだろうけどさ。私、体力はある方だと思うけど足はそれほど速くない。なので少し先生と間が空いてしまう。でも、先生はこっちをしっかりと確認してくれているから迷子になることはないだろう。頑張れ私。

必死に足を動かし続けてなんとか目的地に到達。わき腹痛いし肺もいたい。見かねてシナ先生が水を差しだしてくれた。

「大丈夫？ほら、お水飲む？」
「す、すみませ…」
「もうちょっと遅めにした方がよかったかしら…」
「いえ、十分落としてもらえましたよ。おかげでついてこれました…もう大丈夫です。行きましょ」

息を整えて姿勢を正す。それを見てシナ先生も大丈夫と判断してくれ、村へと足を踏み入れた。
農作業をしていた村人に声をかけ、乙名の元へ連れていってもらう。乙名の家は村の奥の方にあり、中へ入るとそこには中年くらいのがっしりとした体つきの男の人が座っていた。うちの村はこういう立場のお偉いさんみたいな人はみんなおじいちゃんだし、園田村の乙名もおじいちゃんみたいだったからてっきりこの村もそうかと思ったけど、違うみたいでちょっと拍子抜けだ。
……いかん。最近人をまじまじと見てしまうことが多くなっている気がする。宿の仕事してた時は、こういうことすると嫌な気持ちにさせてしまうこともあったから気をつけていたのに。あの宿の仲居じゃなくなっても、人に対する姿勢とか大事なことは変わらないんだから、あの時の感覚を忘れるな。

「突然すみません。私、忍術学園から参りました山本シナです」
「お、同じく、下坂部Aです」
「ああ、園田村の乙名から相談したと風のうわさで聞いていました。どうぞ座ってください」

お言葉に甘えて座らせてもらうと、シナ先生は事の経緯を事細かに報告した。