金平糖のような*二粒目[忍たま] (ページ5)

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知り合いが増えたページ5

あの後すぐに三木ヱ門くんに謝られた。作法委員会の後輩だという浦風藤内くんにも謝罪された。他の人たちも自己紹介をしながらも申し訳なさそうだった。七松くんには災難だったなと言われた。そして落とし穴を掘った張本人、綾部喜八郎くんは三木ヱ門くんたちに怒られてちょっと不服そうだった。

「ほら喜八郎！Aさんに謝るんだ！」
「……すみませんでした」

前言撤回。ちょっとどころじゃなく不服そうだ。君めっちゃ嫌そうな顔して謝るね？いやまあ、大怪我してるわけでもないし本気で怒るほどのことでもないけど。

「手の甲擦ったくらいだから怒りたいわけじゃないよ。でも下級生にあの落とし穴は深すぎるな〜って思ったから、怪我させないように気をつけてね」
「はあい」
「あー、じゃあ私行くね？みんな頑張って！怪我しないでね」

そう言って手を振ると、小さく手を振り返してくれる喜八郎くん。きっと彼も悪い子ではないのだろう。ちょっと落とし穴に執着があるだけで。うん。……四年生ってクセのある子しかいないのかな。まだ彼らのことあまり知らないけど。
よっし気を取り直して第二班だ。私にできることなんて限られてるんだからちゃっちゃか終わらすぞ！
火薬倉庫…あ、居た。あの色は四年生か。金髪って目立つなあ、忍者がアレでいいのかな。……四年生、目立つなぁ。
そう思いながら近づくと、彼は手に持ったものが重かったのか、よろけているのが見て取れた。あれ火薬だよね？…まずい、あの人転ぶ！私は体制を崩した彼の前に咄嗟に飛び出て手を伸ばした。間一髪、火薬は落ちずに私の手によって一瞬止まる。すかさず彼は体制を立て直して火薬の壺を持ち直したことによって、事なきを得た。

「っぶない！大丈夫？！」
「ありがと〜、助かったよ…」

そういってへにゃっと笑う彼。なんだか憎めない人だ。しかし目立つな金髪。
その金髪くんは、壺を荷車に下ろすと火薬倉庫に戻り、中在家くんと…不破くんと同じ色だから五年生、の二人…を連れてきた。後を追って下級生も顔を出す。あ、怪士丸くん。

「ほら久々知くん、はやくはやく」
「わかりましたってタカ丸さ…あれ、Aさん？なんで？」
「あ、どうも。お弁当のお届けに参りました」

そう言って籠を見せるとみんな納得したって顔をした。一班同様に自己紹介をしてもらいながらお弁当を配る。数十分で顔見知りが一気に増えたなあ。しかもみんな好意的だし、素直に嬉しい。