金平糖のような*二粒目[忍たま] (ページ11)

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緊張同盟ページ11

明日のための仕込みも、粗方終わった。後は明日に備えてしっかりと体を休めるだけ……なのだが、緊張のあまりご飯は喉を通らないし寝付けない。
仕方なしに風に当たるため、外に出るとこんな状況なのに星がやけにきれいに見えた。
そのままボーッと星を眺めていると、目の前に金髪が現れた。

「あれ？Aちゃんだ。こんなところで何してるの？」
「あ……斉藤タカ丸くん…だっけ…キミこそ、なんでここに？」
「おれは明日、黄昏甚兵衛の髪結いをするんだよ。聞いてない？」

そういえばそんなことを聞いた気がする…。ダメだ、細かいところが抜けているかもしれない。作戦をもう一度確認しなきゃ。
そう思い、作戦を思い出しながら黙りこくってしまった私の隣にタカ丸くんが腰を下ろす。

「ね、Aちゃんは緊張してる？」
「……え、あ、うん。してるよ。私なんかが役に立てるとは思えないけど、足だけは引っ張りたくないもの」

それを聞いてタカ丸くんはホッとしたように笑って、それから、実はおれもと溢した。

「よかったあ、Aちゃんもおれと同じで。でもずっと堂々としてたから分からなかったな」
「あはは、隠すのが得意なだけだよ。これでも元接客業者よ？」
「そっかあ。おれも元髪結いだからね。笑顔作るのは自信あるんだあ……あ、そうだ」
「うん？」
「おれたち、緊張同盟だ！」
「うん？？」

緊張同盟とは。と、思ったがあれかな。同じ(ような)境遇同士の友情的な……。

「だからおれはAちゃんが困ったら助けるしAちゃんはおれが困ってたら助けてね」
「おっと普通に同盟だった。……じゃあ助け合いの精神で明日、頑張ろ」

そう言い互いに拳を合わせた。不思議なことに今までの不安や緊張は落ち着いていて、話すって意外と大事なんだなと思った。
それから少しだけ雑談をして解散。私はくのたまちゃんたちに混じって、ようやく眠ることができたのだった。