飴色の青春 2 キャンジャニ (ページ9)

今日:20 hit、昨日:5 hit、合計:26,895 hit

・ページ9

話してるうちに、チャイムが鳴る。スマホを見ると、倉子からも返事が来てる。下校時間みたいやな、信ちゃんにも会いたいし、そういって保健室を後にした。

廊下に出て、戸が閉まったのを確認して、そっとため息をつく。また、やな。

章｢なにため息ついてんねん。｣

｢おわっ！！びっくりしたぁ！！ちっちゃいから見えへんかった。…イテッ｣

章｢ちっちゃい言うな。で、どうやってん？まーたどうせひよったんやろ？ヘタレやもんなぁ。｣

｢ヘタレ言うな。あと、決めつけんなや。一応誘ったし。｣

章｢でも、あかんかったんやろ？｣

｢…生徒とは遊びに行けへんねんて。しゃーないし信ちゃんでも誘いに行く？笑｣

笑顔で言うと、ヤスは無言で頭一つ分高い俺の髪をクシャッとかき混ぜて、せやな、と言った。

優しい奴やねん、ヤスは。ヘタレとか、サラッと貶すけど、俺の事変やなんて言わずにずっと応援してくれてる。男が、しかも人周り年上の先生がすきやなんて、おかしいのに、茶化しもせずに話を聞いてくれる。

USJ行こう、まで言えんのに、もう一押しができひん俺は、ヘタレなんかな。一生可愛い生徒、なんて、いちばん言わせたくない言葉。
きっと丸ちゃん先生にとって俺がそんな風に見れる相手になれることないんやろな。俺が大人になっても、その分丸ちゃん先生も大人になって。

きっと、このままずっと。

少し感傷的になって目の前が霞んだけど、欠伸をして誤魔化した。