飴色の青春 2 キャンジャニ (ページ46)

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横子ちゃんの提案で、2時間後に本屋で集合と決まった。没頭タイプの村子ちゃんとすば子ちゃんはどうせ時計みんの忘れるやろ、ってことで。

私はどうしようか、と思っていると、隣に座っていた横子ちゃんが、ソファに着いた私の手にそっと自分の手を重ねて小声で話しかけてきた。

横「倉子、よかったら一緒に来てくれへん？」

色白のきれいなお姉さんに顔覗き込まれるてこんな気持ちか、なんて考えつつ、特に目的地も無いのでいいよと返事をする

倉「横子ちゃん、ここ…。」

横「さっき見てたやろ？あれ。さっきの店でも靴見てたけど買えへんかったし、試し履きだけでもしてみいひん？」

連れてこられたのはさっき足を止めた店。さっき目を奪われたそれは、しっかり見られていたらしい。
手を引かれるままに店内に入るとすぐ、横子ちゃんが店員さんに声をかける。横子ちゃんって結構グイグイ行くタイプやねんな…。

横「ほら、これ。」

差し出された、つや消しのグラスグリーンのハイヒール。手に取るとガラス越しにみた姿よりも輝いて見える。少しドキドキしながら、そっと足を合わせてみる。

店員さん「サイズ、いかがですか？」

倉「ぴったり、です。」

横「ええやん！似合ってる。倉子は大人っぽいから、こういうの似合うねんなぁ！」

正直、とても心惹かれた。安子がよく言う、目が合うってやつは、こういう気持ちかもしれない、なんて思った。

だけど…

倉「素敵やけど、やっぱやめとく。」

横「なんで？」

倉「いや、買っても履かへんもん。私でかいから、これ以上背高なってどうすんねんて感じやし。ちっちゃくて可愛い子がこういうの履いたら、大人っぽいってギャップで素敵やろうけど。」

横「…。」

倉「靴は欲しいから、踵ないやつ見よっかな。ありがとうな？横子ちゃん。」

黙って私の言葉を聞いてた横子ちゃんに、感謝が伝わるように、と念じながら、笑いかける。