こたつ、みかん、錦子 ページ37
錦「はぁ…」
こたつに身を委ねて溶けてる錦子。
安「むぐ…ぅあっ、これすっぱい！」
ふたつめのみかんを剥いて食べ始める安子。
こたつ、みかん、溶けたうさぎさん。
これはもう、やるしかない。
す「…安子、みかんちょーだい。」
安「んー？えーよ、はいあーん！」
す「あーん…むぐむぐ…おいひい…いや、ちゃうくて。」
安「ほえ？」
す「剥いてへんやつ。」
安「ほい。」
まるくてツヤツヤなおみかんを、そろっと、栗色のふわふわの上に置く。
す「…よっしゃ。次。」
安「え？う、うん…」
いつの間にかぐっすり眠ってかいらしい寝息を立てる錦子の上に積み上がっていくみかんタワー。
す「よっ…つ。アッ…危な…」
倒れそうになったみかんタワーを咄嗟に支える。今度はさっきより、ゆっくり、慎重に手を離して…
安「…おおー。」
す「…いよしっ。」
いつの間にか一緒に息を止めて見守ってた安子がぱちぱちと手を叩く。
よっしゃ、いつつめ。と、思った時…。
錦「ふゃ…？」
長いまつ毛がゆっくり上がって、ふわふわの頭がゆっくり動いて…
安「あっ。」
伸ばした手も間に合わず、ゴロゴロっと転がってくおみかん。
す「あああ&ー！！」
錦「ぅえ！？なに！？」
す「ああああああ…」
錦「え！？すば子ちゃん？なん…ええ！？ご、ごごごめん！？」
倉「ひとのうちのこたつでカオスすな。すば子ちゃんは食べ物で遊ばんの。安子はツッコミを放棄すな。錦子ちゃんは…なんも悪ないから泣かへんの。」
す「やって！！こたつ錦子みかんやで！？揃ってんねんで！！詰むやんそんなん！！」
錦「ごめんなぁすば子ちゃん…錦子がもっとじっとしてたらよかった…もう起きひんかったらよかった…。」
倉「なんでや。どっちもなんでや。」
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作者名：らむ倉 | 作成日時：2020年10月23日 23時
