飴色の青春 2 キャンジャニ (ページ21)

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電車で3駅。新幹線も止まる駅で降りて、ごっついビルの足元を進む。

1人やと絶対けぇへん。見るものも、行く場所も多すぎて何をしてええか分からんようになって、結局いつも何もせずにマクドに避難してまうから。

けど今日は安子がいる。安子が手を引いて見せてくれる街は、私の知ってる魔窟じゃない。1人やと見つけられないような煌めきを、見たことの無い街の顔を、教えてくれる。

2人で食べるお昼ご飯はいつもフードコート。

「…なんやオマエそのパスタ。」

安「ポルチーニのクリームパスタやって。すば子も食べる？」

「食べへんわ！キノコ近づけんな！！」

安「もー、キノコ栄養あって美味しいねんで？
すば子の親子丼美味しそー！1口ちょうだい？」

「…」

安「ちょーだい？」

「ん。」

安「んふふ。おいしー。」

「…せやからキノコは要らんて。」

うどんも頼もか思ったけど、横子とちゃうから残しても食べてくれへんやろしやめた。

安「どこ行く？」

「オマエに着いてく。」

安「はーい。」

古いロックナンバーが積み重ねられたレコード屋

くすんだ色のジャケットが並ぶ古着屋

手作りのアクセサリーとドリームキャッチャー

楽器屋でピックを買って、テレキャスターを試奏して

袋を幾つも下げてケーキ屋の窓際の席に座った。