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不死川実弥 視点




実「風の呼吸 壱ノ型 塵旋風・削ぎ!!」


鬼「……がハッ、、」


実「はっ、どいつもこいつも味気ねぇなァ?」



任務として山に入り突如大量に現れた鬼達を斬り、今最後の一体を殺したところだ。
まぁ、一瞬で終わったが。



実「御館様に報告しねェと」


御館様に報告する為、俺はすぐに産屋敷邸へと走った。


_ _ _



実「……以上でございます、御館様」


御「どうもありがとう実弥、引き続き夜の警備も頼むよ」


実「御意」



警備へ戻るためと部屋を出ようとした時、「そういえば…」と御館様が話し始めた。



御「Aの任務完了の報告がまだ来ていないね。彼女のことだから大丈夫だとは思うけれど。確かここから少し離れた○○村だったような、、」


実「……。」



何も聞かなかったふりをして部屋を出る。
今は21時35分、走れば23時には着くだろう。
この頃任務ばかりで疲れてはいるがそんなの関係ない。
思いっきり息を吸い込み俺は○○村へ向かった。



_ _ _


○○村に着いたかアイツが見当たらない。
何かあったんじゃないか、、そんな考えが頭をよぎる。
まさか。アイツに限ってそんなことはないだろう。


辺りはすでに真っ暗で見えにくいため屋根へと登り上から探すことにした。

屋根から屋根へ移りながら町の中央へ行くと俺の探していた人物は呑気に鴉と喋っていた。
その背後には、、鬼。



実「っ、」


気付いてないのか振り向きもしないAに違和感を覚えたが怪我してからでは遅い。
鞘に手をかけ刀を抜く準備をした瞬間、



ザシュッ



刃が肉を裂く音が聞こえた。
…なんだ気付いていたのか。




『雨の呼吸 伍ノ型 【干天の慈雨・改】』


俺とは違う優しい斬撃と共に鬼の頸は落ちる。

確かアイツの使う雨の呼吸って鬼が苦しまないように斬ることが出来るんだったな。
俺は鬼に同情する気は全くないわけだが。


さて、どう現れて驚かせてやろうかと考えていると『そろそろ出てきたら?実弥?』と呼ばれた。
…バレてたのかよ。

屋根から飛び降りトンっと軽やかに着地する。



実「バレてたのかよ、面白くねェなァ」


『…見てたんなら手伝ってよ』



そう言ってAはふてくされた。
団子を奢ると言えば明らかに嬉しそうにするし、まったく、子供みたいだ。

報告のために産屋敷邸へと向かうAの後ろ姿を見つめる。




……なんで気付かねぇんだ、鈍感女。

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作者名:むぎむぎ | 作成日時:2020年3月1日 18時

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