RAIN 7４ ページ35
・
廊下に出て、リビングの方へと顔を向けたときだった。
「！」
リビングのドアが開いていて、その先に偶然立っていた増田さんと目が合った。
驚きのあまり目を見開くと、増田さんは口を押さえて笑う。
『なに、その顔！そんなにびっくりしなくてもいいでしょ』
その姿に私は恥ずかしくなったのか、顔がどんどん熱くなってくる。
「そんな変な顔してませんからっ」
廊下からそういうと、増田さんは口に当てていた手を私の方へと向ける。
『ごめんって。おいでよ。そっち寒いでしょ』
向けた手を、おいで、と動かすので、何の躊躇もなくリビングへと入る。
すると、増田さんは私を上から下、全身を見回す。
それも、少しだけ笑いながら。
「…な、なんですか…。」
私は恥ずかしくなり、スカートをぎゅっと握った。
その私の行動を見て、増田さんはなぜか満足そうな表情を浮かべる。
もう、何なのこの人…。
そう思っていると増田さんが私の目を見てくる。
『いや…Aちゃんは高校生なんだなあって改めて思って。』
「なんですか、それ。私のこと、高校生だって見抜いたの増田さんじゃないですか。」
私は少しだけ増田さんを睨むと、また笑ってくる。
『まあね。でも、Aちゃんの制服姿、見たことなかったからさ。流石、現役って感じで。』
そのあとに、”似合ってるよ”と一言付け加えた増田さん。
そんなこと言われたの久しぶりで、
高校生なんだから制服を着て当たり前だと思っていたからか、そう言われると戸惑ってしまう。
「あ、ありがとうございます…。」
私がそういうと、増田さんはニコリ、と可愛らしい笑顔を向けた。
『手越のいうＪＫ好きも分からなくもなくなったきたなー』
とクスクス笑いながら、増田さんはキッチンへといってしまう。
手越さんの名前がでてくると、やっぱりどうしても体が反応してしまう私。
増田さんは、そんな私の反応を見て見ぬフリをし、キッチンからココアを持ってきた。
『はい、どうぞ。』
そのココアは可愛らしいクマさんのイラストが描かれているマグカップに淹れてあった。
「あったかい…。」
マグカップを手で包むと、じわり、と温かさが手に伝わってくる。
『ごめんね、朝ごはん用意してなくてさ。夜は何か用意するから。』
と、さり気無く、夜もいていいよ、と言ってくれる増田さんに嬉しくなった。
「楽しみにしていますね。」
私は甘いココアを一口飲み、そう答えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 226人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「NEWS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
伊籐 麻貴(プロフ) - うさにゃんさん» 更新、お待たせいたしました！気長に更新待って頂けると嬉しいです！頑張ります！ (2017年11月20日 7時) (
レス) id: 0ee790ef75 (このIDを非表示/違反報告)
うさにゃん(プロフ) - 更新お疲れ様です！まっすーともいい感じに距離が縮まってきて、祐也とどうなっていくのかもますます楽しみになってきた！！！忙しい中で大変ですが頑張ってくださいね！楽しみに待ってます！！ (2017年11月20日 2時) (レス) id: 6e86b0da45 (このIDを非表示/違反報告)
伊籐 麻貴(プロフ) - あんこさん» あんこさん、ありがとうございます！！是非、最後まで読んでいって下さい！ (2017年11月10日 0時) (レス) id: 0ee790ef75 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ - 確かに書きやすいかもしれませんね笑（私は書いたことがないのでわかりませんが…）麻貴さん、これからも、私と雨と彼。更新楽しみにしてます！！ (2017年11月9日 22時) (レス) id: 445aca569f (このIDを非表示/違反報告)
伊籐 麻貴(プロフ) - あんこさん» 私もどっちも好きですが、赤の方が個性が出てて小説では書きやすいですね笑 はい！是非そう読んでください！ ありがとうございます！！ (2017年11月8日 16時) (レス) id: 0ee790ef75 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：伊籐 麻貴 | 作成日時：2017年10月21日 22時
