day 2. ページ6
「こんにちは！」
両肩をがしりと掴まれ、肩をびくりと動かす。
「なんだ、あんたかあ」
フロイドはあからさまに残念がる。
もしかして、アズールやジェイドがついてきてくれたのかも、なんて淡い期待が脆くも散った。
彼女は家に帰ってくれるのだろうか。
そう思った矢先、彼女は頭のてっぺんから爪先までしだり見る。
今日は昨日、彼女からもらった
「じゃあ……うん、やっぱりダメよね。」
なにがだ。
「今日は服を用意したの！」
「服なら昨日もらったじゃん。」
「あれは服じゃないの！いいから、はいこれ！」
.
.
.
「ごっごめんなさい、そ、そんなパツパツになるだなんて、ふふっ、」
「ねぇ、笑い押さえられてねーんだけど、アンタ自覚ある？」
Aが持ってきたのは彼女の弟の服。
間に合わせ程度に持ってきた服が、ここまで合わないと思っていなかった。
「あれー？おかしいなぁ〜？」
「あんた、まだニヤケ押さえられてねーかんね？」
「ぶふっ」
フロイドの大きな手でAの頬を掴み、ぶちゅりと潰す。
「ごめんなしゃい、はなして、はなしてね、痛い痛い！ギブギブギブギブ！」
「……っち。」
彼女の骨格が変わる前にと、パッと手を離す。
痛いなぁもぅ、と彼女は両頬をさする。
少しやりすぎただろうか。
「明日、服買いにいきましょう！」
「はぁ？ふざけてんの？オレまだ歩けねーんだけど。」
「そのための今日よ！」
何いってんだこいつ。
素でその言葉が口から出そうになって、慌てて口を、閉じる。
「今日はあなたと、町のバザーに行きます！そのために、2時間である程度歩けるようになってもらいます！」
「はぁ？」
フロイド2回目のはぁ？である。
この人間は何をいってるんだ。
オレが言っていたことをちゃんと正確に聞き取っているのだろうか。
「いいから！早く、練習練習！」
いつも振り回す側のフロイドが珍しく振り回されている。
アズールとジェイドには見られたくねぇなぁ。
そんなことを考えながら、彼女が差し出してくる両手をとった。
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作者名：ame | 作成日時：2020年7月31日 1時
