狗巻先輩に愛されたいっ

虎杖悠仁くん1 ページ29

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「釘崎、何言ってんだ。虎杖は…」



「う…そっ…」



野薔薇、伏黒、Aの1年ズは同じ方向を見て固まった。


目線の先には赤いフードが一際目立つ呪術高専の制服にピンクベージュの髪色をした男の後ろ姿。




あれは、





あれは間違いなく、





悠仁くんだ。





「…」



先に動いたのは野薔薇ちゃんだった。


早歩きで悠仁くんに向かっていく。



「釘崎…」


「野薔薇ちゃんっ」




早歩きがどんどん速くなる。



「てめぇえええっ！」



ゲシッ




野薔薇ちゃんは悠仁くんの背中におもいきり飛び蹴りをかました。




「「え」」


伏黒とAの声が重なった。

黙って見守っていた2年達もこれには思わず声が出る。






「いってぇ…って。え、釘崎！？」


倒れ込んだ悠仁くんは顔をあげて目を見開いた。





「悠仁くん！今まで何してたの！？」


「虎杖どういうことだ」




すかさず声を張り上げるAと伏黒。






あーダメだ。



勝手に涙が溢れてくる。


とめれそうにない。




死んだはずの同級生が生きていた。



すごく、すごく嬉しかった。





どうしようもなく非力な自分を憎んだし許せなかった。





「お前ら…ごめん！！」



虎杖は両手を合わせて頭を深くさげた。








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