日常1 ページ1
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セミロングの髪を高い位置で１つに束ね、仕上げに後毛を少し出す。
前髪を整えて、ほんのり色付くリップを塗ったらはい完成。
「変なとこないかな…」
鏡の前でクルクル回って入念にチェックするのは軟葉高校2年生、桃瀬A。
今日も彼に会うために少しだけ早めに家を出る。
ー商店街
そろそろかなあ…っ！きた！
グレーの制服集団の真ん中を歩く銀髪オールバック。
彼こそがあたしの意中の相手、開久高校の相良猛くん。
はぁぁあ、今日もかっこいい…。
「よし！」
両手で頬をパチンッと叩いて気合いを入れ、グレーの制服集団に突っ込んで行った。
目指すは相良くんの背中。
「相良くんっ！！おはよっ！！」
ぎゅぅうううう
後ろから抱き付けば、
「ッ！まーたお前かァ」
相良くんは呆れた顔でこちらを見下ろした。
その顔もたまらなく好きですかっこいいです、
なーんて言ったら相良くんはきっと深い深い溜息をつくんだろう。(経験済み)
「おはよう相良くん！」
「毎日毎日飽きねえなァ」
「ねぇ、おはよってば」
体に回した腕に少し力を加えてぎゅうううと抱きしめた。
「へいへい、おはようございます、桃瀬Aちゃん？」
！！！
彼は見下ろしたまま片方だけ口角を上げて笑った。
好き、好きです。
もう大好きです。
Aはパッと相良から身を離し一歩後ろに下がった。
「ありがと、満足っ！」
そう言ってニコッと微笑むと軽く手を振って相良達とは反対方向に走り去った。
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作者名：あめ | 作成日時：2020年11月15日 0時
