〇配信者ちゃんと遊園地 ページ13
・
「楓!着いたよ、起きて!」
そんな少し高い声に耳をくすぐられ、思わず心臓は跳ねて、はっと目を開く。
び、びびった…。私、寝ちゃってたか。
ましろさんはやっと起きた、と言うと、
「着いたよん、開園時間も迫ってるから行こ!」
…そっちが集合時間ギリギリに来たくせに、という言葉は飲み込んだ。
幸い予定の駅は終点だったので、目をしっかり覚ましてから電車から降りた。
んー、と軽くホームで腕を上にあげ伸びをする。固まってた筋肉がよく伸びる…。
周りには同じ遊園地へ行くのか、カップルや家族連れも何組かいた。
「よし、一番乗り…は無理でも、早く入るぞー!楓、早くしないと置いてっちゃうよ!」
どこまでも自分のペースのましろさんに引き摺られながら、遊園地の門まで着いた。
開園時間ほぼぴったりに着いたので、ましろさんの言う一番乗りは無理だったが、そこそこ早く入ることが出来た。
「うわぁ〜〜、初めて来た!遊園地!よし、まずは名物のサンライトジェットコースターから…」
ましろさんは子供のように目をキラキラ輝かせ、私の手を取り…ん?今、ましろさんは「遊園地初めて」と言った?
「待って、待ってくださいましろさん。」
「んー?どした、早く行こ!」
「は、はい、早くは行くんですけど…初めてなんですか?遊園地。」
軽く走りながらそう聞く。やばい、体力あんまりないからきつくなってきそう…。
ましろさんはうん、と頷いた。
「初めて!親が厳しくてさー…だから、今日はいっぱい楽しむの!大切な助手と一緒に!」
そう言って、はじけるレモネードのような笑顔をして見せた。
「…あー、疲れた…でも、楽しかったぁ…」
時間というのは楽しいと早いもので、もう帰りの電車に乗っていた。
サンライトジェットコースターに乗ったあとは、テレビ番組で見た、オススメされていたホットドッグを食べて、お揃いの被り物を買って、その後は数え切れないくらいの乗り物に乗って、着ぐるみと写真を撮って…と盛りだくさんだった。
ましろさんはアハハ、と笑い声を零すと、
「今日は付き合ってくれてありがと。…また、行かない?」
そう、恐る恐る聞いてきた。
…正直、今日はめちゃめちゃ楽しかった。
……、うん、
「また行きましょ。今度は乗れなかったやつ乗りたいです。」
「……!うん、もちろん!!」
ましろさんも、可愛らしい笑みでそう言ってくれた。
・
10人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
優夜@skpr/Bsc(プロフ) - 零麗さん» 名前は大丈夫ですよ!書いてくださり有難うございます! (2021年10月9日 1時) (レス) @page21 id: 78f7faa116 (このIDを非表示/違反報告)
零麗(プロフ) - 優夜@skpr/Bscさん» わわ、素敵なシュチュエーションありがとうございます…!書かせていただきます!また、大好きとお言葉を頂けて嬉しい限りです!これからも頑張っていくので、よろしくお願いします…!! (2021年10月8日 7時) (レス) id: 85454a74f4 (このIDを非表示/違反報告)
優夜@skpr/Bsc(プロフ) - 配信者ちゃんが風邪引くシチュとか、親友と配信者ちゃんがばったり会うシチュはどうですか…?楓が「あれ、配信者ちゃん来てない。珍し」って心配するとか…。あ、すみません、この作品大好きです、頑張ってください! (2021年10月7日 22時) (レス) @page19 id: 78f7faa116 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:零麗 | 作成日時:2021年9月18日 17時