〇配信者ちゃんと復帰 ページ24
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「…はぁ、美味しかった…」
ぺろりとおかゆを食べきったましろさん。
楓、まじでありがと!とこっちを見て言ってくる。どういたしまして、と答える。
「…そいえばさぁ、」
ましろさんはまたベッドにもぐりこみながら話しかけてくる。
「冷蔵庫にプリン入ってるから、食べてていいよ。今日のお礼!あ、あたしのも持ってきて」
老舗の高級プリン、短期出張の親から送られてきたんだぁ、とにこにこしながら言っている。んしゃ、よろしく!あたし病人なんで!とましろさん。
…要するに私はパシリにされた、と。まあおなかが空いていたからありがたいけど。
キッチンに再度入り、冷蔵庫を開ける。さっきから気になっていた、ぽつんと二段目においてある白い箱でいいのか?
試しに中を開けてみれば、ガラス瓶に黄色い甘そうなものが入っていた。これだ。
ふたを閉め、それを持っていく。
「はいどうぞ、ましろさん」
「わぁい、ありがとう。いただきます!」
早速箱の中からプリンとプラスプーンを取り出して食べ始めるましろさん。
私もいただくことにする。表面がてかてかとしているプリンをえぐる。それを口に運び、舌の上に。
「…美味しい…」
「ね!やっぱりパパの見る目は間違えないなぁ〜」
それ以降会話を交わさず、二人で黙ってプリンの美味しさに感動した。
ましろさんはすっかり元気になったようで、咳き込む回数も減って、熱も下がっていた。
「楓!いらっしゃい。」
あの後、まるまる休日をましろさんの看病に使ったわけだが、これも助手の仕事だと思えば、と自分をごまかした。
数日後に仮住居に訪ねたが、ましろさんは病み上がり感を全く出さず、学校帰りの私を仮住居で歓迎してくれた。
あ、そういえば、と靴を脱いで鞄を置いてましろさんに聞きたかったことを聞く。
「ましろさんが熱出して私が看病したところってましろさんの何?どこ?なんですか?」
ましろさんはあぁ〜、というと、
「親も住んでる、本当の家かな。配信機材、あっちにもあるけど、こっちのが性能いいしこっちのが駅近だからこっちで生活してんのよ。」
やっぱり駅近しか勝たんでしょ、といったまなざしが私に刺さる。
確かに、と思ったままに頷く。
…ましろさんも体調崩すんだなぁと今更ながらに思いながら、今日も配信するんですか?と、前は言えなかった言葉をましろさんに紡いだ。
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優夜@skpr/Bsc(プロフ) - 零麗さん» 名前は大丈夫ですよ!書いてくださり有難うございます! (2021年10月9日 1時) (レス) @page21 id: 78f7faa116 (このIDを非表示/違反報告)
零麗(プロフ) - 優夜@skpr/Bscさん» わわ、素敵なシュチュエーションありがとうございます…!書かせていただきます!また、大好きとお言葉を頂けて嬉しい限りです!これからも頑張っていくので、よろしくお願いします…!! (2021年10月8日 7時) (レス) id: 85454a74f4 (このIDを非表示/違反報告)
優夜@skpr/Bsc(プロフ) - 配信者ちゃんが風邪引くシチュとか、親友と配信者ちゃんがばったり会うシチュはどうですか…?楓が「あれ、配信者ちゃん来てない。珍し」って心配するとか…。あ、すみません、この作品大好きです、頑張ってください! (2021年10月7日 22時) (レス) @page19 id: 78f7faa116 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零麗 | 作成日時:2021年9月18日 17時