青いうさぎ (ページ8)

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歩み2 ページ8

バスではみんながわいわいとおしゃべりしていた。

そんな中私と和泉くんの間には沈黙がつづいていた。

さっきのお礼を言いそびれたせいでタイミングを見失ってしまった。

窓側には和泉くんが座っていたので、私は目のやり場がなく不自然に前を向いていた。

どうしよう、せっかく助けてもらってお礼を言って仲を深められるチャンスだったのに、でも会話繋げられる自信ないし、目合わせるの恥ずかしいし、、、

「そんな私相手に緊張しなくていいですよ。」

「え？」

無言の時間を壊したのは和泉くんだった。

「わかりますよ。不自然なくらい何も無い前を見ていて。そんなに私が怖いんですか？」

「こ、怖くない！全然！！ほんとに！」

私は咄嗟に全力で否定した。

「慌てていてかえって嘘に見えますよ」

「ほんとだよ！さっきも助けてもらったし、ほんとにありがとう！もっとはやく言おうと思ってたんだけどタイミング逃しちゃって、、、」

「気にしないでください。一ノ瀬さんには学校のこと色々教えてもらう予定ですから。」

「え、うまく説明できるかな、、」

和泉くんから話しかけてくれるという意外な出来事に私は緊張を忘れていた。

「そういえば、和泉くんと四葉くんは友だちなの？2人とも知り合いなのに同じタイミングで転校してくるなんて珍しいよね」

「私たちはこれから有名になる予定のアイドルグループのメンバー同士です。メンバー全員で寮で暮らすことになったのでそこから近いこの学校に通うことになりました。」

「アイドルなの！？2人ともすごくスタイルよくてかっこいいから芸能界の人みたいだなって思ってたけどそうなんだ、、！」

「、、、、、、、、、いきなり褒めないでください！照れます、、、」

わ、和泉くん心做しか顔が赤いような、、。
私も後先考えず思ったことを発言してしまった。

褒めることはいいことなのに、、なんだか和泉くんの照れ顔はあまり見ちゃいけないもののような気がして悪い事をしたような気分だった。