気づいた頃には…2

ー97ー ページ49

増田side









あいつ今頃。









もしかしたらAちゃんと。









なんでもないって言い聞かせたいのに
どこかソワソワしてる
自分がいて。









落ち着けって言い聞かせてるけど
それは無理があって。









ガチャッ






「たっだいまー！！！マッスー！
ってここ家じゃないか♡つってね」









考えていたら手越は入ってきて。









「…」









いつまでもこの空間に無言が続く
のがなんか苦痛で









「今日…







どうだったの」









「へー。知りたいんだ」









窓の外を眺めている手越はそう
わらう。









「じゃーいい」









「いや、そこは知りたいっていえよ！笑」









こんなに笑顔ってことは









そっか…









あいつ振られたこと一度もないもんな









スマホをいじりながら
話を聞いている俺も
実は平常心を保てていなくて。









無理矢理文字をうったり消したり。









ただ気になっていない…と
思わせるような素振りを繰り返していた。









「付き合った！！！」









「お…おめでと」









「嘘。









俺手越祐也！はじめて失恋を経験しました！！！！」









「そっか」









びっくりもしたし
あいつが？とおもったけど









内心うれしくて。









「そっか。」









ただその一言だけを返す。









「そっか…ってさ。
あーあ。むかつくわー。
なにその余裕ぶった態度。
自分好かれてるからってさ。いくら
お前でもそれはむかつく。
ってかお前男かよ。焦れったいし
いつまでその状態でいるんだよ
いつまで自分の気持ち押し殺す
つもりだよ。」









「お前に関係ねーだろ」









ケータイをいじるのをやめ
手越から顔を隠すように
体制をかえ
手越とは逆の方向に体を
動かした。









「俺だって苦しいんだよ。
早く…奪えよAのこと。
そしたら俺だって…



あきらめられるんだよ」









「外の空気吸ってくる。」









ごめんな手越。









今の俺じゃ。








どうしようもできないんだよ。









俺。どこまでもかっこ悪いからさ

移行のお知らせ→←ー96ー

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す