#90 YOU ページ41
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「ヌナ、帰っちゃうんですか？」
「泊まればいいのに…」
「ジュンミョニヒョンの部屋、ベッドは綺麗ですよ」
宴もたけなわ。
ジュンミョンもソファで眠ってしまったので帰ろうとすると、口々に引き止められる。
「ありがたいけど…」
「かえっちゃだめ」
後ろからの重みと同時にアルコールの混ざった彼の匂い。
いつの間に目を覚ましたのか。ぎゅうっと抱きつかれる。
「ちょっとジュンミョン…」
「なんでかえるの」
たどたどしくどこか甘えたような口調。
相当酔っているくせに。いや、酔っているからこそこんなこと言っているのかも。
「私明日午後から仕事だし…」
「それはしってる」
弟たちが彼の様子を見てクスクスと笑っている。
離れようと身を捩るとさらに強くしがみつかれた。
「ここに泊まるわけにいかないじゃない」
恥ずかしさに耐えきれずちょっと強めに振り解こうとすると、
「あした、」
「え？」
身体をくるんと返されてまっすぐ見つめられて、赤く潤んだ瞳とぶつかった。
「ちゃんと、いってらっしゃいって、いってよ」
正面から近づいてくる顔。
咄嗟に目を瞑る…が、それはそのまま私の首筋に埋まった。
ぎゅうっと抱きすくめられて、すんと匂いを嗅がれる。
…キスされるのかと思った。
速くなる私の心臓の音と正反対にゆっくり鼓動する彼の胸。
一人で期待しちゃったみたいじゃない、もう…。
「はいはい続きは部屋でどうぞ」
「俺もう見てられない…」
「ヒョン！ほどほどにしてよね！」
弟たちにぐいぐいと背中を押されて彼もろとも部屋に押し込まれた。
すぐに足になにかがぶつかる。そしてこの、匂い。
ジュンミョンの部屋だとすぐにわかった。
パタンと扉が閉まると、暗闇のなかでグッと身体を引き寄せられる。
途端にさっきの香りで包まれる。抱きしめ返すと、耳元でふふっと笑い声が漏れた。
「やっと二人きりになれた〜」
「…もう、酔っぱらいすぎだよ、ジュンミョン…」
「酔ってないって、本当。もう大丈夫」
「じゃあさっきのは？」
「へへ、可愛かった？」
「あ！演技してたんだ！ずるい！」
無駄に愛嬌と演技力使って。もう。
だけどなぜかどうしても憎めない。ほんと、天才じゃないかな。
「でもあれは本当だよ」
「…あれ？」
「明日、ちゃんと“いってらっしゃい”って言ってもらいたい。…Aに」
暗くてどんな顔をしているのかはわからなかったけど。
きっとどんな顔でも愛しくてたまらない。
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塩飴 - やっぱり、アイドル...恋愛もしてるのかなと少し切なくなりましたがとてもいい作品でした。少しえちちな場面もあってもうキュンキュンでした...笑ヒヤヒヤしたけど最後はミナちゃんも主もくっつけて良かった。お疲れ様でした。2年後の返信許してください (2020年9月7日 7時) (
レス) id: 02fac824d9 (このIDを非表示/違反報告)
ame(プロフ) - あやテテさん» あやテテさま。今更のお返事お許しください。嬉しいお言葉をたくさんありがとうございます。。もったいない言葉ばかりいただいてしまい、身の締まる思いです。こちらこそ本当にありがとうございました；； (2018年12月15日 22時) (レス) id: ca58cfca1e (このIDを非表示/違反報告)
あやテテ(プロフ) - あるのかなと、考えさせられました。素敵な作品をありがとうございました。 (2018年11月19日 3時) (レス) id: 999741949f (このIDを非表示/違反報告)
あやテテ(プロフ) - 今まで読んできた全ての物語の中で文句なしのダントツ一位です。こんなに綺麗な作品を読んだことがありません。ﾏﾝﾈ二人が凄く良い立場で、絶妙に作品を引き立てて最高でした！ｱｲﾄﾞﾙの恋愛って実際は凄く辛いけど、何だかﾌｧﾝがｱｲﾄﾞﾙを苦しめちゃうことも (2018年11月19日 3時) (レス) id: 999741949f (このIDを非表示/違反報告)
ame(プロフ) - はるるさん» はるるさんありがとうございます。ラストをこれでいいのかたくさん悩んだので素敵だといっていただけてとっても嬉しいです。なんと！アフターストーリーですか；；嬉しすぎて泣いちゃいます。。ぜひぜひ機会があれば書かせていただきたいです。ありがとうございます；； (2018年2月22日 16時) (レス) id: e45fc58aae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ame
| 作成日時：2017年3月11日 2時
