3 ページ29
.
ジョンデと付き合ってもうすぐ一ヶ月。
「はぁ…」
一人、昇降口で靴を履き替えて外に出る。
とっても憂鬱だ。
いつもと同じ靴なのに、足が重い。
雨は降っていないのに、心の中は土砂降りみたい。
今日の昼休み。
些細なことで、初めて、ジョンデとケンカした。
きっかけなんて、もう覚えてないくらい本当に些細なこと。
すぐに謝ればここまで深刻にはならなかったんだろうなってわかってる。
でも、変な意地を張っちゃって謝れなかった。
いつだってニコニコ優しいジョンデが、深いため息をついて、怒ってるような困ってるような難しい顔をしてた。
ジョンデのあんな顔、初めて見た。
それから教室に戻って午後の授業でも、いつもだったら先生の目を盗んで何度か目が合うと笑ってくれる窓側の席のジョンデ。
今日は一度も目が合うこともなかった。
HRが終わって部活に向かうときも。
いつもだったら、「頑張ってね」「また後でね」って頭をぽんぽんしてくれるのに。
大好きな人とケンカするってこんなに辛いなんて、知らなかった
今日は一緒に帰る約束だったけど…
きっと、帰っちゃったよね。
「A」
やだな、幻聴？
いつもジョンデが待っててくれる場所を通ると、どうしてもそこにいるんじゃないかって思っちゃう。
いないのを見て寂しくなるのが怖くて顔を上げられない。
まだたった一ヶ月なのに。
ジョンデが校門の壁に寄りかかってそこにいることがもう私の当たり前になってる。
「A？」
ジョンデの声って低くて優しくて
ジョンデに名前を呼ばれるだけでもうドキドキしちゃうし
ジョンデが私の様子を伺いながら優しく手を繋いで歩き出す瞬間がたまらなく好きで、
ジョンデが…
ジョンデ、ジョンデ、うう…
「Aってば」
「……ジョンデ？」
幻聴じゃ、ない。
「そうだけど？キムジョンデ〜」
ジョンデだ。
いつもの場所にちゃんといる
「なに泣いてんだよ〜ほら」
「……だって…ジョンデが…」
ポケットから出したティッシュで私の涙を拭いてくれる。
ジョンデってほんと面倒見いいなぁ、手馴れてるもん
"あの時"もそうだった
私がジョンデを好きになった"あの時"
ある休みの日。
ショッピングセンターで見かけたジョンデは
「泣いちゃだめだぞ、男だろ？」
「ヒョンが一緒に探してやるからな」
って、迷子の手を引いて、
お母さんが見つかるまで探してあげてた。
その時の優しい笑顔を好きになったんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3219人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
結奈(プロフ) - 夜分遅くにすみません。パスワードを知りたいでま。教えていただけるとありがたいですよろしくお願いします！ (2017年10月7日 1時) (
レス) id: be7197cd5b (このIDを非表示/違反報告)
ame(プロフ) - るなさん» わー！るなさんごめんなさい！見落としていました(T^T)(T^T)ジュンミョンキュンキュンしていただけてとっても嬉しいです！このストーリーから派生して長編になったのでよかったらそちらも読んでいただけたら幸せです！お返事遅くなりまして大変申し訳ありませんでした。 (2017年5月6日 7時) (レス) id: c7ff18eb8d (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - ジュンミョンめっちゃきゅんきゅんしました、、；； (2017年4月3日 21時) (レス) id: c1c2583b8e (このIDを非表示/違反報告)
ame(プロフ) - まーさん» まーさん！コメントありがとうございます。ちょっと頼りないセフンちゃんてますが…愛していただけて本当に嬉しいです。うわん。わたしのほうこそ幸せです。。ありがとうございます(T^T) (2017年2月22日 20時) (レス) id: c7ff18eb8d (このIDを非表示/違反報告)
ame(プロフ) - ももたろうさん» ももたろうさん(T^T)今更のお返事お許しください…(T^T)ギョンスのお話読んでくださってありがとうございます。このギョンスはとっても想いがあるので、好きになっていただけると本当に嬉しいです。ありがとうございました。それから、本当にごめんなさい。 (2017年2月22日 20時) (レス) id: c7ff18eb8d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ame
| 作成日時：2016年2月14日 23時
