シヨウヨ

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緑 side

ヤスがロケに行って留守の間に…2回ぐらい、家に行った。

金魚の世話とか、家の掃除とか。

頼まれたわけじゃなかったけど…何となく。

オレ、女の子みたいやろか？

重いかな？

けど…やりたかったんやもん。

せやけど、自分が留守中に女の子にされたらどうかなぁって思ったら、やっぱりあかんな、と思ってそれっきりにした。

仕事は、普段より頑張った。

頑張ったら早く終わる気がしたし、早く終わったら、早くヤスに逢えるもんな。

そうこうしてる間に、日々は過ぎ、あとちょっとでヤスが帰ってくる日。

今日は、横山くんたちと約束してた、新喜劇観に行く日。

待ち合わせは、あの新しくできたコンビニ。

そこで横山くんが、オレとりょうちゃんと森崎くんをピックアップしてくれるねんて。

オレとりょうちゃんは家から近いから、彼処でもええけど…森崎くんはどうするんやろ。

けど、買い物に来てたぐらいやから、この辺なんやろな。

歩きながら、出来て間なしの頃より、少しはお客さんおるかな、なんて思ってたけど、やっぱりお客さんは少なくて。

店の中を何を買うでもなく、ぶらぶらして時間を潰す。

ちょっと心配になったけど、都会のエアポケットみたいで、オレらなんかにはありがたい存在やな、なんて。

そう思ってたら、黒い革ジャンのおにーさんにぶつかられた。

「…やっぱり」

「お客さん、なんも買わへんなんやったら、帰って下さいね」

「うっさいわ」

怪しさ満載のおにーさんは、横山くんやった。

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