�� ページ20
緑 side
ヤスがマルちゃんと控え室を出てから、入れ違いにマネージャーがやって来た。
そして、企画に参加するとかで、アンケートを書くように言い残して、出て行った。
そしたら、今度はメイクさんが呼びに来て、メンバーは俺以外出て行って…結局一人。
なんだか文章も、上手くまとまらない。
悪戦苦闘してると、ヤスが戻って来た。
「…おかえり」
どんな顔してるんか、見たかったけど…俺の目線は紙の上。
声だけかけた。
「ただいま…」
語尾が少し伸びる癖。
ヤスのそんな喋り方が好きだった。
けど、今日はちょっと違ってた。
言葉尻が、消えるみたいに、頼りなくて。
声音の儚さが、俺を不安にさせる。
「どないしたん？大丈夫？」
顔を上げて、声をかけた。
目が合うと、少し緊張感が緩む。
「うん、大丈夫やで。逆さ睫毛やったみたい」
「そうか…」
俺はまた、紙の上に視線を戻した。
「それ、何書いてんの？」
ヤスは俺の前に座って尋ねた。
「あ、これな…企画書？アンケート？」
「おれも書かなあかんの？」
「せやで、メンバー全員やて」
ボールペンを渡す。
「むずい？」
「うん、なかなか」
「マジかー」
「マジやで」
「ホンマや、むずい」
それでもヤスはボールペンを滑らす音が聞こえる。
「順調やな」
「…そうでも無いけどな…」
「ふぅん、そうか〜」
お互い、また黙ってボールペンを走らせる。
俺も、ようやく文章がまとまり始めた時、ヤスが口を開いた。
「あのな、また近いうち…ご飯食べ行かへん？」
「ええよ、どこ行く？」
「…任せる」
「ほんなら、ウチは？」
ヤスがちょっと目を見開く。
「え？」
「そんな吃驚すること言うてへんで、俺」
「…せやけど」
「ウチ、おいでぇや」
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蒼乃碧(プロフ) - mimiajioveさん» コメントありがとうございました！ようやく移行完了でございます！良かったらまた読んでやってくださいませm(__)m (2018年7月19日 15時) (
レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
mimiajiove(プロフ) - シヨウヨ2楽しみです！頑張ってください！ (2018年7月11日 2時) (レス) id: 15ac791737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼乃碧 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年9月3日 8時
