キミイロオモイ (ページ6)

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緑 side

リビングで、電気もつけっぱなしで。

口唇を合わせて、舌を絡ませ合う。

俺のとは違う、タバコのピリっとした刺激は最初だけで、すぐにヤス自身の甘い唾液に酔いしれる。

角度を変えて、何度も何度も。

抱きしめる腕にも、力が入る。

「…おーくら、苦しぃ」

どんどんと俺の胸を叩いて暴れるヤス。

離れた口唇の端がお互いの唾液で濡れて光る。

「…ごめんごめん。ほな、ちょっと休憩な」

「…うん」

俺の胸に甘えたようにもたれるヤス。

ヤスとの始まりが何時からだとから、そんなことも覚えていない俺だけど、そう言えば身体を重ねるのは、専らヤスの家だけだと最近気がついた。

そんな小さなこだわりを、何故と問うことすらできない俺。

…このまま、どっかに攫って逃げたいな。

どっかに隠して、誰の目にも触れないようにしたいな。

その頃から、俺はそんな不埒な考えに捉われ始めている。

その時、ヤスの小さな背中越しに、コンビニでこうて来てくれた、アレが床の上に転がってるのが見えた。

「…ヤス」

「何？」

「アレ、つけてぇや」

「…ぅん」

背こそ低いものの、それなりの体格なのに何でこんなに唆られるんやろ。

ゆっくりとパッケージを開けるヤス。

伏せられた目、さっきまであんなに濡れていたのに、もうカサついてる口唇。

この小さい体の中に、どんな心が入ってるんかな…。

俺のこと…どんな風に思ってくれてるんやろ。