One day in winter

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sk


「…以上で本日の収録終わりです！」

「ありがとうございましたー！」


ほんとだったら、誰よりも声を張り上げて挨拶したい。


けど今はそれどころじゃなくて、

挨拶もそこそこに誰よりも先にスタジオを出る。



少し早歩きになったせいかさっきよりも苦しくて、
慌てて吸った空気は乾燥気味で
気管支を直接刺激する。

ひゅぅ、と堪え切れなかった咳に喘鳴が混じる。


「っ、ごほ、っげほっ…げほっ、ひ、ゅ……っ、」



やばい、咳が止まんない。

どーしよ、苦しい。


酸欠でくらくらしてくる頭と重い体を引きずって
楽屋に入ればもう限界だった。


ソファまでたどり着くこともできず、

そのまましゃがみ込む。


「は、っ……ひゅ、ッ……ごほ、げほげほげほっ…、」


ちょっとでもいいから落ち着け。

このあとメンバーも来るんだって、

さっさと吸入させてよ。



そんな願い虚しく開いた扉から見えるのは、

色とりどりのみんなのつなぎ。

その中でも一番に入ってきた緑色が

駆け寄るのが見えた。


「っ佐久間！喘息だよね？吸入器は、」

顔を上げるのもしんどくて、
立てた膝に頭を乗せたままゆるりと首を横に振った。

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