無愛想な先輩２【YG】

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将来有望な若者の未来を奪うわけにいかないだろ。


ひよこが最初に見た物を親と思うのと一緒。
ただの勘違い。


今まで男と接する機会がなかったから脳が勘違いしてるだけで。
後々正気に戻ったときに絶対後悔するはず。


Aに想ってもらえるのはもちろん嬉しい。
素直だし一生懸命だし、可愛いと思う。


けど、もっと他をよく見てほしい。
俺なんかよりいい男なんてたくさんいるから。






YG「これ、今日中にできる？」


「っ」


俺の声にびくっとするA。


告白を断ってからずっとこの調子。
俺の一挙手一投足に怯えてる感じがする。


まぁ、俺の冷たい態度が原因なんだろうけど。


可愛くてついつい甘やかしたくなったのが間違いだった。


最初の頃みたいに指導係とその後輩っていうそれ以上でも以下でもない関係に徹する。


Aに対して気を許して打ち解けた態度を取って近づいたのは俺なのに、振り回して申し訳なく思う。


俺だってAといるのは楽しかったし、親しくなるにつれて表情豊かになるAを見るのは嬉しかった。


徐々に硬さがとれて笑顔を見せたり軽口たたいたり、心を開いてくれたことも嬉しかった。






「きょ、今日中ですね」


目も合わせず資料を受け取ってすぐさまパソコンに向かうA。
それを物足りなく思うのは自分勝手だよな。







TH「A〜」


…またか。
これみよがしに俺の横でべたべたしだすテヒョン。


牽制してんのか、煽ってんのか。






テヒョンは間違いなくいい男だと思う。


顔はかっこいいし、背だって高い。
根は真面目だし、真っ直ぐで純粋だし、努力家だ。
優しいし、親しみやすくて誰とでも上手くやれるし。


いいところを挙げだしたらきりがねぇな。


Aのこと大事にするだろうし、幸せにだってできるだろう。





けど、なんでだろう。
なんかモヤっとすんだよな。


そこを掘り下げるのはよくない気がして、目の前の仕事に集中する。



高速で指を動かしても、Aとテヒョンの仲むつまじい姿が視界の端に移る。


…頼むから、俺がいないとこでいちゃつけよ。


思わずため息が漏れた。



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