弱虫で卑怯な男 ページ29
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ゆっくりとこっちに歩いて来た壱馬くんは私の肩に手を置いていた樹の手を乱暴に振り払うと容赦なく樹の顔を殴った。鈍い音にぎゅっと目を瞑った次の瞬間には、私は壱馬くんの腕の中に閉じ込められていた。
「……っ、何もされてなくてよかった。マジで生きた心地しなかったわ」
どうして、壱馬くんがここに？腕の中から顔を上げると私が言いたいことを読み取ったのか壱馬くんは私のコートのポケットに手を入れた。取り出したのは小さなボタンのようなもの。
「ごめん、これGPS。……万が一のことがあったらって心配で忍ばせてた。ったく、危ないことすんなよ。心配すんだろ」
私の頭をぽんぽんと撫でると昂秀くんの所まで連れて行かれる。
「危ないからAさんは家に帰ってて」
「っ、でも…！」
「Aさんに傷が付いたら俺は一生後悔すっから」
「はは、随分とカッコつけるんだな。川村だって神谷に守られてんだぞ？アンバーのヤツらは全員お前より神谷を慕ってるんじゃねぇの？お前弱ぇもんな」
笑いながら立ち上がる樹。壱馬くんは私を昂秀くんに託すと樹と向かい合った。
「あ？弱いのはお前だろうが。卑怯な手ばっかり使いやがって」
「一番卑怯なのはお前だろ？本当は喜んでるくせに」
壱馬くんの気が緩んだ瞬間、樹の回し蹴りが壱馬くんの首に直撃。ふらついた壱馬くんは膝から崩れ落ちた。
「……壱馬く、ん！」
駆け寄ろうとする私を昂秀くんが全力で止める。
「昂秀くん、離してよ。こんなんじゃまた同じことの繰り返しになっちゃう！」
「…Aさんは守ります。……っ、何があっても俺はAさんだけは守ります。俺が健太さんのためにできるのはこんなことしかないから」
まるで何か知ってそうな口ぶりの昂秀くんに思わず動きが止まった。
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Lala(プロフ) - タムさん» 最後まで読んでいただきありがとうございます。労いの言葉もありがとうございます。タムさんも書き手でいらっしゃったんですね！タムさんのコメントのおかげで執筆意欲が上がっていたのでこちらこそ感謝を伝えたいです。ありがとうございました！ (2022年3月10日 11時) (
レス) id: 7b2010937b (このIDを非表示/違反報告)
Lala(プロフ) - Megさん» 最後まで読んでいただきありがとうございます。幸せだと言って下さると執筆してよかったなと改めて思います。Megさんの更新にたくさん励まされ勝手に勇気をいただいてました。これからもともに頑張りましょうね！またお話読みに行きます♪ (2022年3月10日 11時) (レス) id: 7b2010937b (このIDを非表示/違反報告)
タム(プロフ) - 完結おめでとうございます💐そしてお疲れ様でした☺️私も書き手の時期があったので、最後まで書き続けることの大変さを知っています。だからこそ感謝の気持ちでいっぱいです😢Lalaさんとこの作品に出会えて幸せです💭♡ (2022年3月9日 1時) (レス) id: 2c73cc4c7d (このIDを非表示/違反報告)
Meg(プロフ) - ぬぁ😭やっぱりこの作品好きです！！幸せな時間をありがとうございました！！番外編も楽しみに待っています✨ (2022年3月8日 22時) (レス) @page45 id: cd0d8bd3ad (このIDを非表示/違反報告)
Lala(プロフ) - タムさん» コメントありがとうございます！今夜更新分で全ての理由が明らかになりますのでお楽しみに🌟ぜひこのお話の結末を見届けてください🙏🏻毎回コメントありがとうございます🥺 (2022年3月8日 21時) (レス) id: b9d8b91003 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Lala | 作成日時：2021年11月2日 17時
