迷惑なお客様 ページ2
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夕方、重い腰を上げて外に出ると冷たい風が頬を突き刺した。壱馬くんに買ってもらったニットは暖かいけどサイズが大きくて袖が余る。ケンちゃんが買ってくれたのはいつもぴったりだったのに。って、ダメダメ。もう忘れるって決めたんだから。
「ういっす、A。今から出勤？」
バイト先のレンタルショップの前で待ち伏せしていた陸を一瞥するとすぐに裏口へと入った。
「なぁ、最近寒いから俺ら毎日鍋だよ。健太は餃子食べたいって言うんだけど作るのはやましょーだろ？だから餃子食べらんなくてさ。アイツら毎日喧嘩してる」
喋りっぱなしの陸を無視して返却済みのDVDを棚に戻す。1週間に1回、陸は必ず近況報告にやって来る。
「で、Aはいつ帰って来んの？」
「帰らないって何回言えばわかるの？……仕事の邪魔しないで」
片付けを終えると逃げるようにバックヤードに駆け込んだ。陸だけだ、私に帰って来いって言うのは。
「……これレンタルお願いします！」
懲りずに私のレジに並んでくる陸に溜め息が漏れる。しかもAVばっかだし。
「もうすぐクリスマスだろ？25日に家でパーティーしようよ。今年はやましょーが料理担当。俺はケーキだから、Aは――」
「7泊8日でいいですか？」
「…あ、うん、」
「ありがとうございました」
会計が終わってもなかなか動かない陸。どうしたんだろう。いつもならここで帰るのに。
「陸、次の人待ってるから」
「…………あのさ、北人から聞いたんだけど。壱馬と付き合ってるって…」
「……それが何？」
「っ、もし！もし、健太の記憶が戻ったら…お前どうすんだよ」
「もう戻らないでしょ」
「……っ、健太は――「次の方どうぞ」
言葉を遮ると陸は悔しそうな顔をして帰って行った。陸、お願いだからもう来ないで。ケンちゃんのこと、少しずつ思い出さなくなってきたんだよ。
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Lala(プロフ) - タムさん» 最後まで読んでいただきありがとうございます。労いの言葉もありがとうございます。タムさんも書き手でいらっしゃったんですね！タムさんのコメントのおかげで執筆意欲が上がっていたのでこちらこそ感謝を伝えたいです。ありがとうございました！ (2022年3月10日 11時) (
レス) id: 7b2010937b (このIDを非表示/違反報告)
Lala(プロフ) - Megさん» 最後まで読んでいただきありがとうございます。幸せだと言って下さると執筆してよかったなと改めて思います。Megさんの更新にたくさん励まされ勝手に勇気をいただいてました。これからもともに頑張りましょうね！またお話読みに行きます♪ (2022年3月10日 11時) (レス) id: 7b2010937b (このIDを非表示/違反報告)
タム(プロフ) - 完結おめでとうございます💐そしてお疲れ様でした☺️私も書き手の時期があったので、最後まで書き続けることの大変さを知っています。だからこそ感謝の気持ちでいっぱいです😢Lalaさんとこの作品に出会えて幸せです💭♡ (2022年3月9日 1時) (レス) id: 2c73cc4c7d (このIDを非表示/違反報告)
Meg(プロフ) - ぬぁ😭やっぱりこの作品好きです！！幸せな時間をありがとうございました！！番外編も楽しみに待っています✨ (2022年3月8日 22時) (レス) @page45 id: cd0d8bd3ad (このIDを非表示/違反報告)
Lala(プロフ) - タムさん» コメントありがとうございます！今夜更新分で全ての理由が明らかになりますのでお楽しみに🌟ぜひこのお話の結末を見届けてください🙏🏻毎回コメントありがとうございます🥺 (2022年3月8日 21時) (レス) id: b9d8b91003 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Lala | 作成日時：2021年11月2日 17時
