今はもどかしくて ページ8
.
「どうかなーって、明らかに温度差あるっしょー」
「…うわ、直球すぎて傷ついた」
向かい側に座る同僚は、ごめんごめん、とジョッキ片手に笑う。
あわよくば一未と過ごせるかもと思って空けていた夜は虚しく、私の元気がないからと誘ってくれた彼女と、おなじみの居酒屋で過ごすことになった。何週連続かな。
「Aさー、遠慮してたらいつまで経っても会えないんじゃない？なんかアクション起こさないと」
「たとえば？」
「距離置こう、とか？そしたら焦るんじゃん？」
「それってさ、曖昧じゃない？置いてどうなんのーって」
「もうそれがダメなら別れようって脅す？」
たこの唐揚げをつまみながらそう言う彼女。
「…そうだねえ」
「えっ、冗談だよ！？」
「ふふっ、分かってるよ」
彼女が本気で言ってないことなんて分かりきってる。
だけどそれは、別れっていうのは、少し前から私の頭の中をぐるぐるしていた。
脅しなんかじゃなくて。
「じゃあまた明日ねー、おつかれ！」
ほろ酔いで同僚と別れ、タクシーをつかまえる。
「山手坂のマンションまでお願いします」
一未は明らかに恋愛体質ではない。
私も別にそうじゃないけど、彼は私以上に、なのだ。
付き合い始めたのだって、私がデートに誘ったのが始まりだったし、連絡するのだって、いつも私が先。
あれ？私ばっかり、好き？
恋人がいてもいなくても、彼は変わらない。
むしろちょくちょく連絡してくる私がいない方が、いいのかもしれない。
あれ、私ってなんなんだろう
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 231人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瑠璃 - 夢主はなんでそうなったのかわからない。食べきれないので先輩や仲良しの後輩、桔梗達に差し入れする。人気に悩む志摩さんお願いします。 (2020年9月20日 9時) (
レス) id: 9070337cc8 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 志摩さんリクエスト。陣馬の娘、恋人夢主。飽きられないよう努力継続。志摩と付き合ってから益々綺麗になる。努力もあって可愛いさも増す。先輩の夢主に勝てる女性はいないっと言葉の通り、色々な部署で人気になった話し。差し入れや告白がたえない。 (2020年9月20日 9時) (レス) id: 9070337cc8 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - リクエストありがとうございます。志摩さんにやり返されちゃいましたか(笑)されるがまま、夢主に弱い志摩さんを書いてくださりありがとうございます。また、リクエストお願いします。 (2020年9月20日 9時) (レス) id: 9070337cc8 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 瑠璃さん» リクエスト、更新が遅くなってしまってすみません。今回も書いていて楽しいリクエスト、ありがとうございました。気に入っていただけると嬉しいです（＾ν＾） (2020年9月20日 1時) (レス) id: 9d1fcda077 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - ふわふわとした甘さのお話もいいですね。可愛いらしいお話、ありがとうございます。読んでてキュンとしました。更新、楽しみにしています。 (2020年9月15日 7時) (レス) id: 9070337cc8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りり | 作成日時：2020年9月13日 6時
