インディゴブルーの詰め合わせ

キューピッドの素質 ページ10

【いろはside】

研修初日に財布をなくす同期。内定をもらってから１年弱、Aとは頻繁に会うから、こんなことも想定内っちゃ想定内だけど。

だけど。

だけど。


警察官に一目惚れされた、っていうのは想定外だった。ま、当の本人はそんなこと全く気付いてないんだけど。

遺失届を出したあの時、Aが電話に出るために外に出た。

目の前の警官が話しかけてくる。

「君たち地元の子？」

「あ、いえ、会社の新人研修で今日から２週間この辺に…」

「あーなるほどね！新社会人ってことか〜
…ところでさ、このA？ちゃんって彼氏いたりする？」

さっきAが書いた遺失届の"遺失者"の欄を、トントンっとボールペンで軽く叩いた。

「…いや今は…っていうかなんで！？」

「え、可愛くない？あの子。なんかきゅるって」

きっと私、あからさまに うわこの人ちゃっらー！って顔したんだろうな

「いや待って、俺別に誰にでもこういうこと言うわけじゃないから！」

「…本当に警察官？」

「ほんとだよ！」

警察手帳を見せられても、なんだろう、あんまり納得できない。

「もし財布が見つかっても、明日の朝から土曜日まで俺いないからさ？土曜日なら日勤だから、その時取りに来てくれたら嬉しいなーみたいな？」


「…初めて見ました、こんな積極的な人」

「お、どういたしまして？」

え？どゆこと？会話苦手？

「ていうか、Aはそういう事にめちゃくちゃ慎重になっちゃったんだから、だから今は…っおかえりーA！」

電話を終えて中に戻ってきたA。
今の聞こえてないよね？



「…はーい、じゃあもし見つかったら、この番号に電話するからね〜」

「よろしくお願いします」

「うんうん、気をつけて帰るんだよ」


なんだろうな、絶対やばい人だと思ってたけど、もしかしたらすーごくいい人なのかもしれない。
根拠はないけど自信はあった。(私は自分のこういう勘は９割当たると思ってる)
こういう人なら、Aも幸せになれるかも、なんて思ったり。




「いい人でよかったね、あのおまわりさん」

「そうだけどさ、私の財布が見つかるかの方が大事」

「そうね〜ふふっ」


私がちょっと楽しそうなことに不思議そうなA

もし見つかったら、土曜日に取りに行こうね。あのおまわりさんがいる日に。







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全然ドラマの内容が出てこなくてすみません。

交番時代の伊吹の勝手なイメージで話を進めてますw

遺失届と拾得物→←丸め込まれたりする

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