夢のお城かと思った ページ8
暗い夜道の中で白く輝く(ように見えたの、その時は)小さな建物。
「あのすみません!この子、お財布落としちゃったんですけど、届いてませんか!?」
興奮気味に話しながら、中に入っていくいろは
「へ?あーはいはい、どうしましたー?」
中から出てきたのは、ちょっとチャラそうなおまわりさん。制服着てなかったら絶対警察官だと思えない、と思った。
「今朝、駅の近くでお財布落としちゃって…届いてたりしませんか?」
ダメ元で聞いてみるも、
「うーん、財布は届いてないねー」
「ですよねえ…」
おまわりさんに言われるがまま、遺失届の空欄を埋めていく。
「A Aちゃんっていうのね」
「はい…」
「俺はね、伊吹 藍でーす」
「え?あ、はい…お世話になります」
名乗られるとは思ってなかったので戸惑ったけど、伊吹さんに会釈した。その瞬間、私の電話が鳴る。
さっきお母さんに財布をなくしたことをメッセージしたからだろうか、電話で返ってきた
「ちょっとすみません、すぐ戻ります」
電話に出ながら交番を一度出る。
「うん、カードとかは止めたし、今交番に来たから、またなんかあったら連絡するね」
もう社会人なんだからしっかりしなさい!と母に喝を入れられ、「おっしゃる通りです…」と返事をしてから電話を切って中に戻る。
「─────から今は…っおかえりーA!」
伊吹さんと話してたいろはがちょっと焦ってる?なんか珍しいな
「はーい、じゃあもし見つかったら、ここに書いてある番号に電話するからね〜」
「よろしくお願いします」
「うんうん、気をつけて帰るんだよ」
「いい人でよかったね、あのおまわりさん」といろは
「そうだけどさ、私のお財布が見つかるかの方が大事」
「そうね〜ふふっ」
さっきまであんなに心配してくれていた彼女は、なぜか楽しそう。私はまだへこんでるよ!自分のせいだけど!
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チェリー(プロフ) - はじめまして。リクエストしてもいいでしょうか?伊吹が主人公にプロポーズする話をお願いします。 (2020年10月22日 20時) (レス) id: 3bf9690769 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - 初めまして。いつも楽しく読ませてもらっています。質問してもいいでしょうか?死ネタは書くことができるでしょうか? (2020年10月22日 14時) (レス) id: 4a11be0ec9 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - こなさん» こなさん、リクエストありがとうございました!書くのが遅くなってしまって本当にすみません!楽しんでいただけると幸いです。 (2020年9月25日 15時) (レス) id: 9d1fcda077 (このIDを非表示/違反報告)
こな(プロフ) - リクエストお願いいたします!捜査依頼で彼女が英語を話すはなしを。、 (2020年9月14日 19時) (レス) id: 3a7ce308f1 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - こなさん» わああ嬉しい( ; ; )ありがとうございます!リクエスト、お待ちしています! (2020年8月24日 7時) (レス) id: 9d1fcda077 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りり | 作成日時:2020年8月16日 22時