たまに思い出す ページ7
【主人公side】
2013年の春。
大学を卒業して就職した、まあそれなりの会社。働きたかった会社で、同じ部署の同期はいい人たちばっかり。
でも、今年試験的に導入されたという、新入社員を2週間合同で研修させるシステム。これ結構キツいんじゃないか?私には。しかも奥多摩で。奥多摩ってキャンプとかするのに最高な場所だよね?あれ?研修?私たち2週間サバイバルでもする?
「そんなわけないでしょ。会社のそういう施設ができたんだって。知らなかった?」
冷静にそう言うのは、同期の中で一番仲良くなったいろは。内定をもらってから2人で遊んだり飲みに行ったり、しょっちゅうしてる。
「だとしても〜!2週間は長いよね?」
「でもさ、週末は自由なんだし。あ、2週間頑張ったらここ行こうよ!」
いろはは前に私が行きたいと言った、メキシコ料理のお店の写真を見せてきた。
「うわ!絶対行く!それを目標に頑張るしかないな」
そんな感じで始まった新人研修。初日は覚えることもたくさんあるから大変だったけど、何よりずっと座ってるのつらいな〜!
「ねーA、夜食買いに行かない?」
研修施設は寮みたいなところで、食事は毎食提供された。でもいろはは食べ物の好き嫌いが多くて、今晩のメニューはほとんど食べなかったらしい。
「いいけど、どこまで行くのよ?まさか駅前のスーパーじゃないよね?20分歩くの?今から?」
「そこが最寄りでしょ!はいはい、食後の運動!」
たしかに研修中は座学ばっかりだし、いい運動かもと思っていろはと出かける支度を始める。
「…あれ、…ない!」
「なに、どしたのA」
財布がないのだ。最後に使ったのはたしか、研修初日、昨日駅に着いて、駅の外の売店で買い物をしてたら同じグループの同期に呼ばれて財布を…しまったっけ?あれ、記憶がない。
「うっそ!交番行こう!今すぐ!」
駅の側なら交番があるはずと歩きながら、道中でいろはに指示されるがまま、財布に入っているカード類の利用を全部止めるため、カード会社や銀行に電話した。
ああ、ありがとういろはさま…私ひとりだったらパニックになったままだったわ…
「とりあえずこれで悪用されることはないはず!」
「本当に助かったよいろは…!」
落ち込みながら歩く私を慰めるいろは。
そんな私たちの目に飛び込んできたのは
「A!交番!!聞いてみよ!」
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チェリー(プロフ) - はじめまして。リクエストしてもいいでしょうか?伊吹が主人公にプロポーズする話をお願いします。 (2020年10月22日 20時) (レス) id: 3bf9690769 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - 初めまして。いつも楽しく読ませてもらっています。質問してもいいでしょうか?死ネタは書くことができるでしょうか? (2020年10月22日 14時) (レス) id: 4a11be0ec9 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - こなさん» こなさん、リクエストありがとうございました!書くのが遅くなってしまって本当にすみません!楽しんでいただけると幸いです。 (2020年9月25日 15時) (レス) id: 9d1fcda077 (このIDを非表示/違反報告)
こな(プロフ) - リクエストお願いいたします!捜査依頼で彼女が英語を話すはなしを。、 (2020年9月14日 19時) (レス) id: 3a7ce308f1 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - こなさん» わああ嬉しい( ; ; )ありがとうございます!リクエスト、お待ちしています! (2020年8月24日 7時) (レス) id: 9d1fcda077 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りり | 作成日時:2020年8月16日 22時