インディゴブルーの詰め合わせ

ガールフレンドは民間人 ページ29

！リクエスト





ビジネス街と住宅地の間。時刻は22:00を少し過ぎたところ。
人通りもだんだん少なくなっている。



「それで？会えてないのか、Aさんに」

「そうなんだよ志摩〜！もう２週間もお預け」

お預けって…

助手席の伊吹が、２週間彼女に会えていないとぼやいている。


なんでも、Aさんが仕事で以前から任されていた大きなプロジェクトが大詰めで、それが終わるまでは忙しくて会えない、と言われたらしい。


「でもね！今日終わったんだって、そのプロジェクト。だから今日会いに行きたかったんだけどさ、俺当番じゃん？」

Aのかわりに志摩かよ〜

と続けて嘆く伊吹を、


「…浮気されてたりして」


さらに落ち込ませてみた。



「……は？」


ゆっくりこちらを向く伊吹。
なんで泣きそうなんだよ、てっきり怒ると思ったのに。


「嘘だよ。Aさんに限ってそれはないだろ」


「…あるわけねーだろ」

「まあ、あの人に限って〜って人が浮気することとかよくあるけどな」

「志摩お前、慰めてんのか落ち込ませてんのか分かんねーよっ！」


こいつは本当に、Aさんのことになると弱いな。





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