インディゴブルーの詰め合わせ

魔法使いな彼女 ページ27

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[いま仕事終わったよ〜 仕事でもちゃんと栄養あるもの食べてね！]

夜、分駐所にいると、Aからメッセージが届く。


昼間のあいつ、誰？

何の話してあんな笑ってたの？

俺といるより、楽しい？


聞きたいことはたくさんあったけど、結局何も言えず、


[おつかれー]

そっけなさすぎる一言、でも今の俺には精一杯


「伊吹さん、なんか元気ないですね」

「昼間、彼女が同僚らしい男と歩いてるの見てからへこんでんだよ」

「伊吹にもそういうとこあんのか」


九ちゃん、志摩、陣馬さん、全部聞こえてるよ


でも俺はソファーで横になって聞いてないふりをする。


次Aに会ったらなんて聞こう
いやそもそも聞くべきじゃない？
でもそれって俺がもやもやするだけじゃない？
ていうか、むしろ会いたくないかも


「伊吹」

志摩がソファーのアームに座って話しかけてくる

「んー」

「まさかAさんが浮気してるとか思ってないよな？」

「…どうかなー、しててもおかしくないよな、あの感じ」

言ってて悲しくなる

「本当バカだなお前」

あ？
志摩を見上げるように睨む。

「お前の為に涙を流せるんだぞ、あの人は。そんな人が簡単に心変わりすると思うか？」

「なんで志摩がそんなこと知ってんだよ」

「…この前Aさんにガマさんの話した時、泣いてたから、お前を想って」

俺はあんなに綺麗に泣く人、見たことない

そう続けた志摩。


昼間見たことはまだ気になるけど、

ついさっきまで会いたくないと思ってたのに、今はAに早く会いたくて仕方がない。


数分前に送った、そっけないメッセージの後に

[Aに早く会いたい]

と送ったらすぐに既読がついて、返信が来た。


[藍がそんな風に言うの、なんか珍しいね。私も会いたいから、明日仕事終わったら会いに行くね♡]


「よーし志摩、夜の密行がんばろーな！」

身体を起こして、携帯を見ていた視線を志摩に移すと、


「切り替え早いな、あと気持ち悪いからにやつくな」


って言われた。ひど。
でも、今ならなんでもできそうな気持ちだ。




早く明日の夜にならないかな、


たった数行の短いメッセージで、俺をこんなに元気にできちゃうのは、世界中どこ探しても、きっと君だけ。




(あとからAに聞いたら、)

『会社の後輩と、オフィスの人たちにコーヒー買いに行った時、おもしろい動画の話で盛り上がっただけだよ。藍も見る？』

(って言ってた)
(動画はめちゃくちゃおもしろかった)




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