インディゴブルーの詰め合わせ

考えちゃうよ ページ19

【主人公side】


ミーンミーンというより、ジリジリジリーと聞こえる蝉の鳴き声でまた目が覚めた。
また、というのは、時差ボケで夜中に何度も目が覚めたから。
その度に、隣で眠る藍を起こしたくなくて、再び眠気が来るのを待った。

いま視界に入るのは、まだ見慣れない藍の部屋。いろんな柄のライブＴシャツや、同じようで少しずつ違うサングラスたち。２年前より増えてる、気がする。

当たり前だけど、私がこの街にいなかった２年間も藍はここにいたわけで。
私の知らないところで知らない人と出会って。(まあそれは私も同じなのだけど)
離れてる間、藍は何を見て何を感じてたの？
そう考え始めたら、今隣にいる藍はなんだか私の知ってる藍じゃないかもしれない、と思って少し寂しくなった。

自分で選んで藍を置いて海外で仕事して、帰ってくればそんなことを考えて、自分の身勝手さに情けなくなる。

目を閉じて鼻から息を吸って、そっと吐いた。

うしろから回ってくる藍の腕。素肌どうしがくっついて、久しぶりだったその感触に少し照れる。

「…おはよ」

少し掠れた、寝起き独特の藍の声。

「おはよう」

「A、ちゃんと眠れた？」

「うん。でもまだ寝られそう」

まだ朝の6:30。
日本の８月は暑すぎる。


今日は２人とも休みなんだし、もう少しここで藍を堪能したいな



とか直接言ったら、こっちが恥ずかしくなるくらい喜ぶんだろうな。



(その直後、今日は休みだからゴロゴロできるね〜って上から藍が降ってきた)

(今日は素直に受け止めよう)

藍の相棒→←俺ヒーローみたいだった？

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