チャンス到来 ページ17
【伊吹side】
本当に可愛い。今目の前でビールを飲んでるこの子。
出会ったのはほんの数週間前。夜勤の日に、落とし物の問い合わせをしに来た。
友達も一緒に来たけど、俺はAちゃんから目が離せなかった。なぜかは分からない。なんか本能?
Aちゃんが落とした財布を取りに来た日の夜、勤務中に彼女の友達に遭遇した。いろはちゃんっていうらしい。真っ暗の夜道をひとりで歩かせるのもなんだし、研修してるっていうところまで送っていくことにした
「ていうか、こんな時間にひとりで何してんの!」
「彼氏とドライブしてました〜、Aのことも誘ったんですけど遠慮されちゃって。財布届けてくれたお店にお礼しに行くって」
あー、そういう礼儀正しいところもすっげーいい。最高。
「伊吹さんって、こっちの方まで出てきたりすることあるんですか?」
「こっち?」
「あの、新宿とか都心?の方っていうか。Aも私も中野のあたりに住んでて」
「うーん、たまーにね」
「提案があるんですけど」
いろはちゃんによると、2人は研修を終えたらAちゃんの行きたい店に行く約束をしているらしい。
「で、サプライズで私じゃなくて伊吹さん登場〜とかどうです?」
「おーいいねー!俺ときゅるっとしたAちゃんの初デート!」
「そのきゅるってなんなんですか。まあ、お店は渋谷の方なんで伊吹さんからはめちゃめちゃ遠くなっちゃ…」
「いや全然いい!全然関係ない!」
「よかったです。詳しいことはあれなんですけど、A、元彼が結構やばかったらしくてトラウマっぽいんですよね。でも本当にいい子だから、いい人と幸せになってほしくて。あ、私の番号渡しとくんで、なんかあったら連絡ください」
いろはちゃんから走り書きのメモを受け取った。
「いつ中野に戻るの?」
「今度の土曜日です」
交番から署に戻って、いろはちゃんにその日は日勤で交番にいることをメッセージした。
『じゃあ、Aにまた会えますね٩(^‿^)۶』
Aちゃんの顔を思い出してにやける。
でも
土曜日まで待たなくても、会えてしまった。
たぶんあれが元彼なんだろう。
ランニングで上がった息を鎮めながら、次に何が起こるか様子を見る。男はAちゃんの手首を掴んで何か言っている。
もっと君がハッピーな気持ちの時に会いたかった
そう思いながら、Aちゃんの背後から近づいた。
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チェリー(プロフ) - はじめまして。リクエストしてもいいでしょうか?伊吹が主人公にプロポーズする話をお願いします。 (2020年10月22日 20時) (レス) id: 3bf9690769 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - 初めまして。いつも楽しく読ませてもらっています。質問してもいいでしょうか?死ネタは書くことができるでしょうか? (2020年10月22日 14時) (レス) id: 4a11be0ec9 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - こなさん» こなさん、リクエストありがとうございました!書くのが遅くなってしまって本当にすみません!楽しんでいただけると幸いです。 (2020年9月25日 15時) (レス) id: 9d1fcda077 (このIDを非表示/違反報告)
こな(プロフ) - リクエストお願いいたします!捜査依頼で彼女が英語を話すはなしを。、 (2020年9月14日 19時) (レス) id: 3a7ce308f1 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - こなさん» わああ嬉しい( ; ; )ありがとうございます!リクエスト、お待ちしています! (2020年8月24日 7時) (レス) id: 9d1fcda077 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りり | 作成日時:2020年8月16日 22時