きゅんって音がしたかも ページ16
研修が終わって１週間。
本社勤務の私は、毎日新しいことを覚えるのに必死。
「はーーつっかれたー！」
「本当だねー、あと１日頑張ったら休みだ！」
帰りが一緒になったいろはと、お互いを励まし合う。
「ねえA、土曜日暇？こないだ言ってたメキシカンのお店行かない？」
「うん！暇！やっと行ける嬉しいー！」
よし、楽しみができた。あと１日、頑張れる。
土曜日。
『ちょっと遅れるからさっき入ってて！先飲んでていいよ╰(*´︶`*)╯♡』
いろはが遅れてくるのはよくあることで、そういう時私はいつも先にお店に入って、ビールをひとつ注文する。
久しぶりに飲むアルコールに、すでに身体が少しふわふわする。
早くいろは来ないかな───
そう思って携帯を開いた瞬間、テーブルの向かいに人の気配。
「おまたせ〜〜」
瞬時に携帯から顔を上げる。
「えっ……」
言葉を失った。そこにいたのはいろはではなくて、
「久しぶり、Aちゃん」
と笑う伊吹さんだったから。
さっき少し飲んだビールが消えるように、頭がぐるぐる冴える。
「ちょ、ちょっとすみません」
思わず席を立ち、足早にお店の外へ。
いろはに電話をかける。
『もしもし〜？どうよ？』
「どうよって何！どういうこと！？」
『私の代わりに伊吹さんを投入したのよ！詳しいことは伊吹さんに聞いて！ほら、２人の時間もったいないから』
まだ頭が状況を処理しきれていないまま席に戻った私を、伊吹さんが「おかえり〜」と迎える。
「あの、どうしてここに、」
私が聞くと、伊吹さんはちょうど運ばれてきた私と同じ種類のビール瓶の飲み口にライムを絞りながら、話し始めた。
「まだAちゃんたちがあっちにいた頃さ、パトロール中にいろはちゃんに会ったんだよね。なんか彼氏とドライブしてきた帰りとか言って。あ、かんぱーい」
瓶を持ち上げて伊吹さんのに少しぶつける
そこでいろはは、私に黙って今日ここに伊吹さんを呼ぶために連絡先を聞き出したのだそうだ。
連絡先を知っていたから、私たちが奥多摩から帰る日に伊吹さんが交番にいることを知っていたんだ。それであの自信ね。勘じゃないじゃん。なんだかいろはらしくて笑える。
「それで、２時間もかけてここまで来てくれたんですか？え、なんで？」
「だってそりゃAちゃんってきゅるきゅるしてるし、また会いたかったしさ」
「きゅ…？へ？」
来てよかったよ、と伊吹さんは笑った。
やばい、今きゅんってきた。
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チェリー(プロフ) - はじめまして。リクエストしてもいいでしょうか？伊吹が主人公にプロポーズする話をお願いします。 (2020年10月22日 20時) (
レス) id: 3bf9690769 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - 初めまして。いつも楽しく読ませてもらっています。質問してもいいでしょうか？死ネタは書くことができるでしょうか？ (2020年10月22日 14時) (レス) id: 4a11be0ec9 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - こなさん» こなさん、リクエストありがとうございました！書くのが遅くなってしまって本当にすみません！楽しんでいただけると幸いです。 (2020年9月25日 15時) (レス) id: 9d1fcda077 (このIDを非表示/違反報告)
こな(プロフ) - リクエストお願いいたします！捜査依頼で彼女が英語を話すはなしを。、 (2020年9月14日 19時) (レス) id: 3a7ce308f1 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - こなさん» わああ嬉しい（ ; ; ）ありがとうございます！リクエスト、お待ちしています！ (2020年8月24日 7時) (レス) id: 9d1fcda077 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りり | 作成日時：2020年8月16日 22時
