四話 ページ7
もうクラス表を分けていた人達は自分のクラスに帰っていったのか昇降口に姿はなかった。
それを理解していたのか、片方の人が騒ぎ出す。
「クラス分からんくなったやん！
どうすんねんお前ぇ！」
「あ〜、すんません」
「思ってへんな？！」
水色の癖毛に瓶底眼鏡を掛けた背の高い人。
高速違反じゃないのかと不安になるけど、紫色のヘルメットを頭に乗せ前者の人に担がれた人。
驚きで涙が引っ込んだ。
だって
それは紛れもなく、元我々国幹部の
ショッピさんとチーノさんだったから。
気付いたらさっきまでまるで動かなかった足が自然と動いていた。
無意識というものは恐ろしい。
『あの......』
おずおずと話しかけるとチーノさんと眼鏡越しに目が合う。
チーノさんはさっきの怒ったような顔から一変。
「はい！何でしょう？」
と、営業スマイルばりに口角を上げ気の良さそうな顔付きへと変化した。
流石、前世幹部で元詐欺師。
対するショッピさんはチーノさんの腕から解放され、気だるげな瞳で私のことを無感情に見つめていた。
『私、クラス表持ってるんですけど一年の学級の場所が分からなってしまって。
クラス表を見せる代わりに一緒に行って欲しいんです。
交換条件として、どうでしょう？』
少し緊張して賭けのような感じになってしまったがちゃんと言えたと思う。
彼は少し考えてショッピさんに目配せする。
ショッピさんが首を縦に降ったことでチーノさんは再度私を見てきた。
「分かりました！じゃあ一緒に行きましょ」
『あ、有り難う御座います！助かります』
「いえいえ！俺等も困ってましたし」
快く笑顔を見せてくれた。
小さいが恩返しなるものが出来ただろうか。
二人に案内をしてもらいながらクラス表を見せると、二人共私と同じクラスだったらしい。
「一年間一緒やな！俺はチーノや、よろしく！」
「ショッピいいます。よろしく」
『荻原 Aです。よろしく、ね』
名前知ってます、なんて口が裂けても言えない。
恩返しどころか気持ち悪がられるだけだし。
そう思いながら急いでクラスに入り、私達は何とか遅刻せずにすんだ。
＿＿＿＿＿＿＿＿
文字数という敵。
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お星 - うわーすごいいい話じゃないですかぁ（泣）体に気をつけながら頑張ってください''い''（泣いています） (2020年7月19日 21時) (
レス) id: 7b09c37ff3 (このIDを非表示/違反報告)
雨桷(プロフ) - あああ泣かないで下さい（泣）過去編が上手くまとめられなくてどうしようと思ってたのですがそう言ってくれる方がいて嬉しいです( ；∀；)これからも頑張ります！ (2020年4月30日 19時) (レス) id: 74dfe25e8a (このIDを非表示/違反報告)
あんり - う゛う゛う゛(泣)感動しました...過去編とかまーじで涙腺ガバガバでしたわ...更新無理せず頑張ってください！ (2020年4月30日 9時) (レス) id: 4620368618 (このIDを非表示/違反報告)
雨桷(プロフ) - 眠い日とさん» コメントありがとうございます！全部が好きなんて嬉しいお言葉で照れますね！影の藻って、マニアックな場所にお隠れになっているようなので私も今からそちらに走っていきますので少々お待ちを！ (2020年4月28日 9時) (レス) id: 74dfe25e8a (このIDを非表示/違反報告)
眠い日と - コメント失礼しますこの作品すごく面白いですね！語彙力がないんで細かく言えないですが、全部が好きです！これからも無理せず頑張って下さい！自分は影の藻から応援してますので！ (2020年4月27日 22時) (レス) id: 135cca5399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨桷 | 作成日時：2020年3月31日 11時
