三話 ページ5
『校舎、大きくない？』
「大きいよね」
我々高校は四階建て大きな校舎が二つ建てられており、その二つの校舎の隣には食堂が併設されていた。更に体育館と広い運動場も付いている。
面積が最早遊園地レベルだ。
その遊園地が何処にあるかは知らないけど。
私みたいに今年入学してきた人達も校舎を見て唖然としている。
そんな私達を横目に平然と校舎に入っていく上級生がもう既に高い存在に思えてきた。
「まあすぐ慣れるよ。迷ったら電話しな？
直ぐ兄ちゃんが行ってあげる」
『そんなのいいよ〜。その時間を凪君は受験勉強に当てて頑張って』
「気遣いなんだろうけど悲しい〜。
気を付けるんだよ？俺とは此処で別れるし、Aにどんな悪い虫が付くか分かったもんじゃない」
『悪い虫は知らないけど....』
そうだった。一年と二年は同じ西棟だけど、三年は東棟の校舎に学級がある。
だから交流はあまり無く会うことも少なくなるのだ。
そう思うと、別に今までと変わらないはずなのに少し寂しくなってくる。
まあでも、家に凪君は帰ってくるんだしいいか。
「クラス表ちゃんと貰うんだよ？
何かあったらお兄ちゃんに言うこと！今日は一緒に帰ろう？」
『うん。また後でね』
凪君とはそう言って別れた。
さて、時間は有限だ。
早くクラスに行って馴染もう。
高校生活、がーんばーるぞいっ
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
と、意気込んでいた時期が私にもありました。
『此処、どこ？』
クラス表を受け取り私のクラスは二組ということが分かった。
でも、階段が多くていつの間にか知らない場所まで来ていました。
というか何故だか一階に戻っていました。何で？
時間はあと十分程度で体育館に移動することになる。
どうしようか。
凪君に連絡する？
いや、迷惑がかかる。
受験生なのに迷惑をかけて評価が落ちたりしたらこれからの将来に関わってしまうかも。
人に聞く？
無理だ。私には出来ない。
折角母さんや父さんが来てくれるのに。
人生で一度きりの大事な儀式をやれないかもしれない。
そう思うと途端に悲しくなってくる。
視界がぼやける。
泣くな、駄目だ。
まだ、時間もいっぱい
「ちょ、早く！走って！」『？！』
ぐちゃぐちゃになった私の頭の中に、ふと誰かの声が入り込んできた。
同時に大きな足音と共に二人の姿が現れる。
その人達のことを私は知っている。
何度もこの目で見た。
いや、前に見たんだ。
彼等を。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 581人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
全ステータスカンストした無能とか最強だと思うけど、キャラ変飽きたから好感度で... 好i感i度i−i1i0i0iかiらi始iまiるi学i校i生i活 �� 【wrwrd】高嶺の花は喋らない？【学パロ】もっと見る
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
お星 - うわーすごいいい話じゃないですかぁ（泣）体に気をつけながら頑張ってください''い''（泣いています） (2020年7月19日 21時) (
レス) id: 7b09c37ff3 (このIDを非表示/違反報告)
雨桷(プロフ) - あああ泣かないで下さい（泣）過去編が上手くまとめられなくてどうしようと思ってたのですがそう言ってくれる方がいて嬉しいです( ；∀；)これからも頑張ります！ (2020年4月30日 19時) (レス) id: 74dfe25e8a (このIDを非表示/違反報告)
あんり - う゛う゛う゛(泣)感動しました...過去編とかまーじで涙腺ガバガバでしたわ...更新無理せず頑張ってください！ (2020年4月30日 9時) (レス) id: 4620368618 (このIDを非表示/違反報告)
雨桷(プロフ) - 眠い日とさん» コメントありがとうございます！全部が好きなんて嬉しいお言葉で照れますね！影の藻って、マニアックな場所にお隠れになっているようなので私も今からそちらに走っていきますので少々お待ちを！ (2020年4月28日 9時) (レス) id: 74dfe25e8a (このIDを非表示/違反報告)
眠い日と - コメント失礼しますこの作品すごく面白いですね！語彙力がないんで細かく言えないですが、全部が好きです！これからも無理せず頑張って下さい！自分は影の藻から応援してますので！ (2020年4月27日 22時) (レス) id: 135cca5399 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨桷 | 作成日時：2020年3月31日 11時
