十二話 ページ17
『ただいま〜』
「お帰りなさい」
家の扉を開け家の中に入ると凪君が台所から顔を出した。
制服の上にはエプロンが着いていて、いかにもたった今まで料理をしていたということを匂わせる。
「A、友達は出来た？」
『うん。一緒にお昼食べてきた』
「よかったじゃん！さ、手洗ってきて？ご飯にしよっか」
『あ、手伝い出来なくてごめんね』
「いいのいいの、たまに羽目外すぐらいだし」
凪君にお礼を言ってほのぼのとしたムードのまま洗面所に行った瞬間にハッと思い出した。
凪君のペースに呑まれて忘れていた。
直ぐに手を洗って台所の扉を勢いよく開ける。
「手洗っ『凪君説明して！』え？何を」
食卓に青椒肉絲を置いていた凪君に抱き付くと頭を撫でられひとまず椅子に座らされた。
凪君も座り二人で手を合わせる。
「『頂きます』」
口に青椒肉絲をいっぱいに詰め込み咀嚼する。
途中美味しい？と聞かれたので首を何度も降ると嬉しそうに微笑んだ。
「それで、俺は何を説明すればいいの？」
『ふぁふえ「ちゃんと呑み込んでね」ん！』
もぐもぐ、と噛んで呑み込んで。
『何でゾムさん達のこと友達って言ってくれなかったの？！』
と濁すことなくはっきりと聞いた。
私は今かなり焦ったような表情をしているだろう。
今まで兄妹の間で隠し事なんてしていなかったのに、秘匿されたことがあったという事実は正直かなり心に来るものがある。
でも質問の後の数秒間、凪君はきょとんとした顔をしたと思えば
「ぶふっ。ふははははっ！！」
急にお腹を押さえ笑いだした。
頭でも可笑しくなったんだろうか。
『どっ、どうしたの？』
「ふふっ、そういう？はふっ、ごめ、ごめんw」
お腹痛いwと言いながらひとしきり笑ったあと、涙を拭きながら凪君は喋りだした。
「だってAは、我々国の生まれ変わりに興味があったんでしょ？
俺の友達だっていうことは別にどうでもいいのかなって思ってたから言ってなかったw
そっか、グルちゃんの言葉はそういうね？
は〜、ごめんね？言葉足らずだったね。」
『！あ、それ...私の、勘違いも....？！』
「大体は俺だけどAのこともあるね〜。
久し振りにAに怒られちゃったあ」
『ごっ、ごめんね凪君』
「いいのいいの！俺もごめんねえ」
何となくだったけど、お互いの説明不足ということと、性格の緩さが招いたことということが分かりました。
現場からは以上です。
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お星 - うわーすごいいい話じゃないですかぁ（泣）体に気をつけながら頑張ってください''い''（泣いています） (2020年7月19日 21時) (
レス) id: 7b09c37ff3 (このIDを非表示/違反報告)
雨桷(プロフ) - あああ泣かないで下さい（泣）過去編が上手くまとめられなくてどうしようと思ってたのですがそう言ってくれる方がいて嬉しいです( ；∀；)これからも頑張ります！ (2020年4月30日 19時) (レス) id: 74dfe25e8a (このIDを非表示/違反報告)
あんり - う゛う゛う゛(泣)感動しました...過去編とかまーじで涙腺ガバガバでしたわ...更新無理せず頑張ってください！ (2020年4月30日 9時) (レス) id: 4620368618 (このIDを非表示/違反報告)
雨桷(プロフ) - 眠い日とさん» コメントありがとうございます！全部が好きなんて嬉しいお言葉で照れますね！影の藻って、マニアックな場所にお隠れになっているようなので私も今からそちらに走っていきますので少々お待ちを！ (2020年4月28日 9時) (レス) id: 74dfe25e8a (このIDを非表示/違反報告)
眠い日と - コメント失礼しますこの作品すごく面白いですね！語彙力がないんで細かく言えないですが、全部が好きです！これからも無理せず頑張って下さい！自分は影の藻から応援してますので！ (2020年4月27日 22時) (レス) id: 135cca5399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨桷 | 作成日時：2020年3月31日 11時
