十話 ページ15
各々昼食を注文し同じ席につく。
私はポテトと飲み物を頼んでシャオロンさんとショッピの隣に座る。
『で、あのコネシマさん。質問良いですか？』
「おん！ふぇふぇお(ええよ)」
「先輩呑み込んでから喋ってください」
ハンバーガーを口内で咀嚼しながら喋るため聞き取りづらいけど、台詞の横に翻訳が見えるため支障はなさそうだ。
乾いた口をジュースで潤してから口を開く。
『まず、私の兄とは部活内で知り合ったんですか？』
「せや。俺とかに熱心に教えてくれたんが凪さんでな。飲み込み遅いんにずっと教えてくれてな。
家行ったこともあったけどなあ、知らん？」
『私中学との距離の兼ね合いで祖母宅に泊まる日もあったのでその影響かと。
すいません、気付かなくて』
「ええねん！気にすんな。」
向日葵のように綺麗で無邪気な笑顔を返してくれる。話してみれば、コネシマさんは凄く頼りになる人だ。
「俺等の話はええん？
全員凪さんのことは知っとるけど」
間からシャオロンさんが興味深そうに聞いてくるのでそれに頷くと自分のことではないのに胸を張って自信満々に話をし始めた。
そういえば、コネシマさんも自分のことのように嬉しそうに話していたな。
皆さん、所詮他人のことなのに、どうしてこんなにも優しく考えられるんだろう。
「俺、生徒会入ったすぐ後にチンピラから絡まれたことあったんよ。
思わず手出そうになってな。今考えると退学になってたやろうけど、其処を何とかしてくれたんがAの兄ちゃんや」
『暴力で解決とか、しましたか....？』
「してへんしてへん！手一つ出してないで」
血が昇った凪君は誰にも手がつけられない。
シャオロンさんの言葉に心底安堵した。
「警察呼んだって言ってチンピラ脅してな？」
『おっ......えっ』
否、もっと問題あった。
「そんで追い払ったあとお礼言うたら誇りもせんで「困っていたら助けなきゃね」って言ったんよ。今時あんな人おらんから、珍しく思ったな。
ばりかっこええやろ！」
"人が困っていたら、助けてあげるんだよ"
何時も家族から、凪君から言われていたその一言は、徐々に今の私に定着しつつある。
じんわりと心の隅が暖かく滲む。
やっぱり、私の兄は私以外のヒーローにもなっているらしい。
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お星 - うわーすごいいい話じゃないですかぁ（泣）体に気をつけながら頑張ってください''い''（泣いています） (2020年7月19日 21時) (
レス) id: 7b09c37ff3 (このIDを非表示/違反報告)
雨桷(プロフ) - あああ泣かないで下さい（泣）過去編が上手くまとめられなくてどうしようと思ってたのですがそう言ってくれる方がいて嬉しいです( ；∀；)これからも頑張ります！ (2020年4月30日 19時) (レス) id: 74dfe25e8a (このIDを非表示/違反報告)
あんり - う゛う゛う゛(泣)感動しました...過去編とかまーじで涙腺ガバガバでしたわ...更新無理せず頑張ってください！ (2020年4月30日 9時) (レス) id: 4620368618 (このIDを非表示/違反報告)
雨桷(プロフ) - 眠い日とさん» コメントありがとうございます！全部が好きなんて嬉しいお言葉で照れますね！影の藻って、マニアックな場所にお隠れになっているようなので私も今からそちらに走っていきますので少々お待ちを！ (2020年4月28日 9時) (レス) id: 74dfe25e8a (このIDを非表示/違反報告)
眠い日と - コメント失礼しますこの作品すごく面白いですね！語彙力がないんで細かく言えないですが、全部が好きです！これからも無理せず頑張って下さい！自分は影の藻から応援してますので！ (2020年4月27日 22時) (レス) id: 135cca5399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨桷 | 作成日時：2020年3月31日 11時
