激重ですが、何か？

無自覚な渡辺くん - Shota - ページ34

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「…は、え？」


移動車の中、ブログを書こうとスマホを開いた流れで、最近なんか写真撮ったっけ？とカメラロールを開いた。すると、カメラロールを埋め尽くすほどの彼女の写真の多さにびっくりして、つい声が出てしまった。


「？」

「あ、なんでもない」


隣に座っていた目黒が不思議そうに見てきたけれど、疲れてるようですぐに窓の方に頭を傾けて目を閉じた。再びスマホの画面に視線を落とせば、ずらっと画面いっぱいに並ぶ彼女。全部自分が撮ったけれど、こんなに撮っていたとは思わなかった。


てか、最近Aしか撮ってないじゃん...！ブログに載せらんねえ〜〜！


画面をスクロールすれば、すっごい笑顔でお気に入りのアイスを食べてるA。クッションを抱きしめて真剣な顔でテレビを見てるA。キッチンで「味見して」とスプーンを向けてくるA。ソファーでうたた寝してるA。俺の手を引いて歩くAの後ろ姿。いろんな彼女の姿が並ぶ。間に俺とAのツーショもあるけど、8割がAの隠し撮り。


まじでかわいい... Aに会いてえ〜


Aが可愛くてついつい撮ってしまう。バレないようにこっそり撮ってるし、Aは俺のスマホの中がこんなにAだらけだなんて知ったら驚くだろう。まあ、見せないけど。とにかくAの顔が見たいから、仕事が終わったら会いにいこう。



「可愛い〜！しょっぴーの彼女可愛いね〜！」


唐突に後ろから発せられた声に心臓がびくりと飛び跳ねた。


「っ、おい、勝手に見んなよ！」


咄嗟にスマホの画面を胸に押し当てて隠すも、時すでに遅し。振り返れば、ラウールがニヤニヤと口角を上げながら、俺が座るシートを掴んで身を乗り出していた。


R「見えちゃったんだもーん♪ 」

S「えっ！なに？何が見えたの？」


ラウールの隣にいた佐久間まで身を乗り出してくる。


R「しょっぴーの彼女〜」

S「なにっ！？翔太の彼女！？見せろ見せろ！」

「見せねぇよ。あーまじ最悪」

R「めっちゃ可愛いのになんで隠すの〜？」

S「翔太が付き合うんだからそりゃ顔面偏差値高いに決まってるよな！ねえ、俺にも見せてよ〜翔太〜！」

「やだよ！俺の彼女に興味持つなよ」

R&S「「.....おぉ〜！」」

「なんだよ」


顔を見合わせて目を輝かせる佐久間とラウール。


R「しょっぴーかっこいい！」

S「お前、結構重いのな！」

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