_ ページ17
.
「Aちゃん、康二くんのこと忘れたいなら、俺のこと見て？」
『ラウ、を？』
「うん、俺を見て？そう、もっと見て。Aちゃん、俺でいっぱいになれば、康二くんのこと忘れられるよ？どうする？Aちゃんのお願いなら、叶えてあげる」
脳裏に蘇る康二の笑顔。
俺な、彼女できてん。
この子、可愛いやろ？
今度、Aにも紹介するな？
めっちゃ可愛くて良い子やから、
A、仲良くしてやってよ？
『、おねがいっ、康二のことなんて忘れさせてよっ、！』
胸を突き刺すような痛みも苦しみもこれ以上耐えられない、もう、楽になりたい…
「いいよ、Aちゃんのお願い、きいてあげる」
ラウールは噛み付くようにキスをした。舌が絡まるキスに翻弄されて、何も考えられなくなっていく。
…まって、こわい、
『やっ…』
「だめ、逃げないで。Aちゃんが望んだんでしょ？」
頭と顎を固定されて、息継ぎもままならないキスをされ、私は苦しさからラウールの服を強く掴めば、頬にかかるラウールの息が荒くなる。
ゆっくり唇が離れていけば、銀色の糸が繋がれて、ギラリと光る黒い瞳に射抜かれて、何も考えられなくなっていく気がした。
「…本当はこんなところで、こんな形でAちゃんを抱きたくなかったけど、Aちゃんのお願いだから仕方ないか…」
『……』
「Aちゃん、…本当にいいの？ここでやめなかったら、俺、もう止められないけど、」
『…うん、』
「じゃあ、Aちゃんからキスして、俺に抱いてって言ってよ？そうしたら俺も、…もうつらくない、」
ラウールが苦しそうに顔を歪める。
『ラウは、いいの…？ラウを利用してるみたい、』
「いいよ、俺を利用してよ？そのかわり、俺はAちゃんを手に入れるから。Aちゃんが弱ってるところにつけ込んで、卑怯かもしれないけど、こんなチャンス逃すわけにはいかない。
だからさ、早く俺に命令して？」
『っ、』
「俺にどうしてほしいの？」
黒い瞳から目がそらせない。
気づけば、勝手に身体が動いていた。
私はラウールの頬を包んで、キスをした。
バイバイ、
康二、
『…抱いて、』
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1002人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
関西弁大好き - 続き見たいです❗楽しみに待ってます❗お体に気をつけて頑張って下さい😆🎵 (10月24日 0時) (
レス) id: dc054cb4c4 (このIDを非表示/違反報告)
EM(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます。ラウさんガッツポーズしてると思います！ (6月17日 13時) (レス) id: 3626747921 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - ラウにおちました (6月16日 17時) (レス) @page19 id: 84e97ac5a3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：EM
| 作成日時：2022年9月19日 12時
